早くホンモノになりたかった妖怪人間「SR400/500」
「SR400/500」は、1978年から生産終了まで43年間にわたり基本性能を変えることなく販売されたロングセラーモデルです。スタイルは古い英国車そのもの。エンブレムを変えるだけで、トライアンフやノートン、BSAに早変わりする由緒正しき(いい意味でね)パチモンです。
2021年1月21日に発表された「ファイナルエディション」および「ファイナルエディション・リミテッド」は争奪戦で、中古車もプレミアム価格になりましたが、発売当時から人気者だったわけではありません。ゼファーにより古典的モデルが注目され始めた1990年頃からジワジワと人気が出てきたと記憶しています。
SRが偉大なのは、長い時間をかけてカスタムベースとしての地位を築き上げてきたことです。例え大幅なカスタムを施し、音叉のエンブレムをBSAに変えたとしても、マネやパクリとは言われません。1997年にはイギリスのオートバイメーカー「BSA」が、SRのエンジンをベースに車両を製作するという逆転現象が起きました。例えるなら明石家さんまさんが、ほいけんたさんのモノマネをするに等しい快挙です。
クリカンさんを見習ってほしい!
戦後の日本の工業製品はマネから始まりました。マネっ子は日本のお家芸と言ってもいいでしょう。モノマネを得意としていた栗田貫一さんが、山田康雄さんの没後、ルパン三世の声優に抜擢されたように、マネも究めればホンモノになるはず。TRXも根気よく続ければ、ドゥカティと肩を並べたかも知れませんね…そんなワケないか。