本記事は、ひきたよしあき氏の著書『雑談が上手い人が話す前にやっていること』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。
「え〜」「あの〜」というクセをなくす方法
話す前に「え〜」「あ〜」「あの〜」と言ってしまう。
もし、あなたにこのクセがあるなら、すぐにそのクセをなくす方法があります。
ちなみに、「え〜」「あ〜」「あの〜」と言ってしまうクセは、自分では気づいてないケースもあるようです。
「自覚はなかったけれど、自分がしゃべっている音声を聞いたら、いつも『え〜』と言ってから話していた。聞き苦しくて、人前で話すのが嫌になりました」
そういう話もよく聞きます。
自分の話し方を聞いて、思わぬクセを見つけて落ち込んでしまう人もいるようです。
「え〜」や「あの〜」という前置き語のことを「フィラー」と呼びます。
「フィラー」とは、詰めもの、埋め草、つなぎという意味です。
つまり、次の言葉がすぐに出てこないので、そのつなぎとして声を発してしまうのです。
政治家やスポーツ選手のように、人前で話す機会が多い人でも、フィラーがクセになっている人がいます。
特に、人から質問を受けて、すぐに答えられないときに「え〜」と言ってしまうのが見受けられます。
ただ、最初に言っておきますが、本人の気持ちはともかく、雑談では「え〜」「あの〜」「その〜」「えっと〜」など、フィラーをつけてもまったく問題ないと思います。
雑談には決まった型がない。それが雑談のいいところですから。
ただ、ひとつだけ、気にしたほうがいいことがあります。
それは、「え~」とか「あの~」を連呼してしまうと、自信がなさそうに聞こえてしまうことです。
ですので、たとえ「え~」「あの~」がクセになっていても、自分は楽しく、堂々と話ができているという人は、気にせず、フィラーを使えばいいと思います。
一方、自分に自信がない人は、フィラーをなくしてもいいのではないでしょうか。
何より、改善方法が簡単なので。
ちなみに、フィラーをなくして、話し方に自信がついたという人も多数います。
「え~」「あの~」が多い人の顔の特徴
フィラーが多い人は、なんと、顔に特徴があります。
話す前に、口を開けているのです。
「この人、『え~』と、よく言うなぁ」と思う人を見かけたら、口元を見てください。
話す前に、口が開いていることが多いはずです。
相手に対して、
「何か答えなければいけない」
「間をつくってはいけない」
という思いが先走り、思わず口をぽかんと開けてしまうのです。
まだ言葉が練れてないうちに、何かを発言しようとするから、つなぎ言葉として「え〜」「あの〜」が、開いた口から漏れてしまう。
無意識でやっているので、自分では気づきにくいものなのです。
自分はどうかは、動画を録ってチェックしてみてください。誰かとの会話を録画してみる。まずは自分の状態をチェックです。
吐く息の上に乗せるのは「言葉」
お待たせしました、フィラーが出ないようにするための脱フィラーの方法を3つご紹介します。
- ① 話す前に口を閉じる
② 話す前に息を吸う
③ 話す前に唾を飲み込む
いずれも口から息と声が漏れるのを防ぐ方法です。
①と②は、軽症の場合の対策。日頃から声を発する前に口を閉じることを意識してください。
③は、私が小学生の話し方教室で教えている方法ですが、大人でも有効です。
唾を飲むことによって、話に間が生まれ、ゆっくり話す力が身につきます。
自分に合った方法を試してください。
フィラーがなくなれば、あなたの話は格段と明瞭になります。
同時に、話すことに少しずつ自信を持てると思います。
- ポイント
- 「え〜」「あの〜」が出ないよう、口を閉じる、息を吸う、唾を飲み込むのいずれかをしてから話しはじめる。
早稲田大学法学部卒業。
博報堂に入社後、クリエイティブディレクターとして数々のCMを手がける。
政治、行政、大手企業などのスピーチライターとしても活動し、幅広い業種・世代の価値観、世代間のギャップ、言葉遣いの違いなどを分析し、コミュニケーション能力が高まる方法を伝授する。
また、大阪芸術大学、明治大学、慶應MCCなどで教え、「はじめて『わかった!』と心の底から思えた講義」「一生ものの考える力が身につく」と学生や社会人から支持を集める。
教育WEB「Schoo」では毎回事前予約が約20,000人、朝日学生新聞社「みんなをつなぐ新聞WEB」では、毎回1,200人近い子どもと保護者が参加する人気。
著書に『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』(大和出版)、『大勢の中のあなたへ』(朝日学生新聞社)、『トイレでハッピーになる366の言葉』(主婦の友社)など。※画像をクリックするとAmazonに飛びます。