この記事は2024年4月23日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=SOMKID/stock.adobe.com)

2024年4月23日(火)の午前11時半に現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

小林芳彦
1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。

現在の為替相場の傾向や相場観

現状、米国の利下げが遠のき、日本の利上げはすぐに行われない状況。そうした中、米国の経済指標が強いことから、ファンダメンタル通りに円が売られている。そのため、介入が入ったとしてもトレンドを大きく転換させるだけの流れにはならないだろう。

トレンド転換させるためには売り下がりをするような介入をしなければならないだろうし、ある程度水準を下げた後は、ステルス介入で上にずっと売りを置いておくような形にしないとこの円安・ドル高の流れは止まらないと思っている。

チャートの形から行くと152円を超えてから完全に流れが変わってしまったので、突破させてはいけなかった。このレベルではしばらく実弾介入をせずとも止まっていたため、当局とすれば、それはそれでいいだろうという考えがあったのかもしれない。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは、150.00~156.00円。しかし介入がなく155円も超えないようであれば153.00~155.00円。イメージとしては155円のノックアウトオプションをつぶして一度上に跳ねた後、もしそこで介入が入れば150円程度までの下落はありそうだと考えている。

ただし、介入がストップすればあっという間に153~154円までは戻すだろう。一方、介入が155円台で入ったとしたら、2度目、3度目の介入が同じ水準で入る可能性が高いので154円より上は買いづらくなるかという感じ。

現在、米国の経済指標が強いため大きくドルが売られる方向にはならないだろう。もしドルが下がってくるとしたら、米景気が鈍化し利下げが実際に行われ、日本の円金利が数回引き上げられる、ということになればあるかもしれない。

ただいずれにせよ、すぐには難しいと思うので、戦略としては下がるのを待って押し目で買いたい。介入が入る前は155円手前で利食ってまた押し目を買う形でイメージしている。そして相場を見られない時間に、上に跳ねた後介入が入って急落するようなことを考えたら、夜といえども押し目買いの指値は入れないスタンスで臨みたい。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。