本記事は、山口 貴大氏の著書『月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方』(KADOKAWA)の中から一部を抜粋・編集しています。
そもそも債券ってどんな金融商品?
20年以上も空前の低金利が続く日本では、個人投資家が気軽に購入できる「個人向け国債」の表面利率も、2023年8月募集の「変動10」は0.39%、「固定5」は0.14%(いずれも税引き前)と、銀行の定規預金よりはマシですが、非常に低金利です。はっきりいって、まったく魅力がありません。
しかし、元来、債券は株式と同じぐらい存在感のある金融市場の2大商品です。
通常の資産運用では、株式5割・債券5割など、資産を株式と債券に半分ずつ程度振り分けるのが基本になっており、日本の年金もその構成比率で運用されています。
株式と債券の違いを、図47にまとめました。
債券は、債券を発行した発行体にお金を貸す代わりに、毎年、利息がもらえて、満期が来たら元本をまるまる返却してもらえる金融商品です。
発行体が破綻しない限り、元本が保証されるため、預貯金に次ぐローリスクな金融商品といえます。
リターンとリスクの関係でいうと、一般的にいってローリスクな順に、
●預貯金→債券(国債など高格付けのもの)→投資信託(商品によってリスク・リターンはさまざま)→株式
という並びになります。
ただ、債券には大きなリスクもあります。お金を貸した債券の発行体が破綻したり、「もう借金を返せません」といってデフォルト(債務不履行) に陥ったりすると、最悪、元本がすべて失われてしまうのです。
債券には格付けがある
債務不履行に陥るリスクをあらかじめ認識できるように、債券には発行体の信用度に応じた格付けが付与されています。
格付けは上から順に「トリプルA」→「ダブルA」→「シングルA」ときて、次は「トリプルB」になります。
一般にトリプルBまでは「投資適格格付け」とされ、その下の「ダブルB」以下から「シングルC」までは信用度が低く「投機的格付け」 とされています。
投機的格付けの債券になると、格付けが低いほど利回りは上がりますが、償還日に元本が返ってこないリスクも増えます。
債券のデフォルト(債務不履行)はしょっちゅう起こるわけではありません。しかし、たまに起こるので注意が必要です。
安定した長期の資産運用という観点からいえば、格付けがトリプルAかダブルAの高格付けのものを選んだほうがいいでしょう。
たとえば、先ほど紹介したアップルの社債は格付けがダブルAプラスなのでデフォルトのリスクが少ない債券といえます。
債券価格と利回りの関係を理解しよう
債券は償還時に元本が返ってきます。しかし、償還までの間は株式と同様に経済や金利の状況に応じて、債券の価格が変動します。
たとえば、10年満期で表面利率5%の債券を額面金額の100ドル で購入したとしましょう。
その後、世の中がインフレになってお金の価値が目減りする状況になると、10年後に100ドルが戻ってきても、その実質的な価値は今の100ドルに比べて低くなります(物価上昇のせいで、同じ100ドルでも買えるモノが少なくなるからです)。
そうなると、10年間100ドル貸して年間の利回りが5%だと割に合わず、もっと高い金利を払わないと100ドルを貸してくれる人がいなくなります。
すると、額面は100ドルの債券の価格も下落し、たとえば90ドルでしか売れなくなります。
額面100ドルで利回り5%ですから、この債券を保有していると毎年5ドルの利金がもらえます。債券価格が100ドルから90ドルに下落すると、「毎年の利金5ドル÷債券の実勢価格90ドル=0.0555…」で、実質的な利回りは5.55%に上昇します。
しかも、90ドルで買っても償還時には額面金額の100ドルが戻ってくるので最終的な利回りはそれ以上です。
このように、債券価格はその時々の金利の状況に応じて価格が変動し、その動きと反比例して実質的な利回り(金利)も変化していくというわけです。
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