本記事は、山口 貴大氏の著書『月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方』(KADOKAWA)の中から一部を抜粋・編集しています。

Business candle stick graph chart of stock market USA
(画像=Bigc Studio / stock.adobe.com)

米国株と全世界株式、どちらが正解?

新NISA運用の基本的なターゲットになるS&P500、全米株式、全世界株式に連動したインデックスファンド・ETFの定番商品を紹介しました。

では、そもそも、米国株と全世界株式のどちらに投資したほうがいいのでしょう。

米国は政治、経済、軍事、技術革新の面で世界最強。今後も10年、20年はその地位は揺るがないから米国株一本でいい」

という意見もあれば、

「全世界株式に投資していれば、国すら選ばなくていい。今後、米国が凋落して、ほかの国が世界覇権を握る可能性も考えると全世界株式のほうが無難

という意見もあります。

SNS上では、S&P500派とオルカン(「オール・カントリー」の略で、全世界株式のことを指す)派に分かれて、どちらが優れているか、どちらが資産運用により成功しやすいか、 けんけんごうごう の議論が繰り広げられています。

私の結論はというと、

「正直、どちらも正解だと思います!」

というものになります。

米国株を選ぶ理由は?

全世界株式ではなく、米国株を選ぶ理由は単純に、過去の実績から見ると米国株のリターンのほうが高いことが最大の要因になります。

2023年で終了するつみたてNISAでは、インデックスファンドへの毎月定額つみたて投資が大流行していて、主要なインデックスファンドの純資産総額はぞくぞくと1兆円の大台を突破しています。

2023年7月末現在、純資産総額の多い順に並べると、

1位 「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」2兆4,610億円
2位  「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」1兆3,363億円
3位 「楽天・全米株式インデックス・ファンド」1兆551億円
4位 「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」1兆501億円

となっています。

「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」が2位に食い込んでいますが、そのほかの1兆円超えファンドはいずれも米国株に連動しています。

純資産総額の状況からも、2018年に始まったつみたてNISA経由で、多くの個人投資家の資金が米国株インデックスファンドに流れ込んでいることがわかります。

米国株式を選ぶ理由は、

①米国通貨ドルが世界の基軸通貨だから。
②米国企業の多くは全世界で稼いでいるから。
③米国株に投資するほうが全世界株式に投資するよりパフォーマンスが高い。
④米国株に連動するインデックスファンドのほうが一般的に低コスト。

⑤米国株を選択する投資家のほうが多い、

といった点になります。

米国株と世界株、リスクに大差なし

金融商品を評価する際は、その金融商品が「どれぐらいのリスクをとって、どれぐらいのリターンを得ているか」を比べるのが一般的です。

リスクはその金融商品がどれぐらい変動するか、価格(値動き)のバラツキ具合から統計学で使う 「標準偏差」 を計算して判断します。標準偏差の値が大きいほど、一般的に価格変動率(ボラティリティ)が大きく、リスクが高いと考えられています。

一方、リターンはその金融商品の年平均の分配金込みのトータルリターンで判断するのが一般的です。

図28は、ある資産運用会社が1998年1月末から2022年3月末までのS&P500とMSCIワールド・インデックス・オール・カントリー(ともに配当込み・米ドルベース)に、世界債券や世界株式・債券のバランス型指数を加えて、リターンとリスクの位置関係をグラフ化したものです。

月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方
(画像=月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方)

世界債券や世界株式・債券のバランス型指数の位置を見てもわかるように、リスクが低い金融商品はリターンもそれほど高くないのが資産運用の〝常識〟です。

一方、S&P500の位置を見てもわかるように、リターンが高い金融商品はリスクも高くなります。

しかし、S&P500と世界株式のリターンとリスクを比べてみると、S&P500のほうが世界株式より縦軸のリターンが2%以上高いにもかかわらず、S&P500と世界株式のリスク(横軸)には1%以下の差しかありません。

1998年1月末~2022年3月末の24 年2か月という期間中、S&P500と世界株式はほぼ同じリスクでありながら、S&P500のほうが世界株式よりかなり高い、年率10%超のリターンを叩き出してきたということです。

この過去の実績が、全世界株式より、S&P500など米国株に投資したほうが、将来もいい結果を残せるのではないかという根強い期待感につながっています。

【キャンペーン情報】
本記事をお読みいただいた方限定で、著者の山口氏が運営している米国株FIREを目指す投資スクール「Financial Free College」の無料勉強会に申し込むと、 山口氏の特別セミナー動画&電子書籍2冊(『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』と『裏・年収300万円FIRE "ライオン兄さんが本当に伝えたかった【お金の真実と5つの能力】"』)をプレゼントしております。
金融リテラシーを上げたい方、FIREを目指したい方にとって有料級の情報となりますのでぜひお受け取りください。

■無料勉強会URL
https://ex-pa.jp/item/54180

月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方
山口 貴大(ライオン兄さん)(やまぐち・たかひろ らいおんにいさん)
金融・起業のマネースクール『Financial Free College』代表。SNSでは「ライオン兄さん」名義で活動。 ネット関連会社などにて、8年間のサラリーマン勤務をするが独立。金融・起業の書籍をむさぼり読みつつ、サービス業関連会社を興し、2018年に売却、その売却益を米国株を中心に運用し、経済的自由を獲得した。 同スクールは、「投資家が推奨するお金のスクール」、「未経験から学べるお金のスクール」、「結果が見込めるお金のスクール」の3冠を取得(日本マーケティングリサーチ機構調べ)。
ZUU online library
(※画像をクリックするとZUU online libraryに飛びます)