資産運用を成功させるには、いくつかのポイントがある。そのなかでも見落としがちなのが、自分の「ストレス耐性」だ。これをきちんと把握できているかどうかで、結果も変わってくるだろう。本記事では、ストレス耐性の基礎知識やストレス耐性が低い人向けの資産運用法について紹介する。

そもそもストレス耐性とは ?

資産運用を成功させるには「ストレス耐性」も知ろう。メンタルが弱い場合は ?
(画像=Andrey Popov / stock.adobe.com)

「ストレス耐性」とはその名の通り、ストレスに耐える力のことを指す。

資産運用では、投資対象の価値が下落することも少なくない。

しかし、資産の価値が一時的に下落したとしても長期的に見れば上昇することが期待できる場合、下落時のストレスに耐え、当該資産を保有し続けることが求められる。一時的なストレスで資産を売却してしまうと損失だけが残ってしまうため、ある程度のストレス耐性が求められるのだ。

ストレス耐性を決める要素

一般的に個々人のストレス耐性の度合いは、以下の6つの要素によって決まる傾向がある。

【ストレス耐性を決める6つの要素】

  • キャパシティ
  • 処理
  • 感知
  • 経験
  • 回避
  • 転換

「キャパシティ」は精神的容量のことで、どれだけストレスに耐えられるかを指す。「処理」はストレスの原因を最小化・排除するための対応力、「感知」はストレスを感じやすい性格かどうかのことだ。また、「経験」は過去に感じたストレスへの慣れ、「回避」はストレスを感じる状況をうまく回避する能力を指す。

そして最後の「転換」は、ストレスの原因となっていることをポジティブな考え方に置き換えることができるスキルのことだ。

ストレス耐性が高い人の特徴

上記の6つの要素を分析すると、ストレス耐性が高い人の特徴が見えてくる。例えば仕事でストレスを感じるタスクが生じたとき、そのタスクを後回しにせずに迅速に片付けてしまう人は「処理」という要素の面から見てストレス耐性が高い人と考えられる。

また、楽観的な性格の人もストレス耐性が高いといえるだろう。目の前のトラブルに不安を感じ過ぎなければ、取り乱さずに物事に冷静に対応でき、結果としてストレスも抑えられる。これは「感知」の要素に関係してくる。

上昇志向の人のなかには、物事に取り組む際、壁にぶつかっても「この問題を解決すれば自分はもっと成長できるはず」とポジティブな発想でストレスの原因を成長の機会に変えてしまう人もいる。こういう人は「転換」という要素の視点から、ストレス耐性が高いといえる。

ストレス耐性が低い人の特徴

一方で、ストレス耐性が低い人の特徴はどうだろうか。例えば、他人が口にした言葉を気にしすぎてしまうような人は「キャパシティ」という要素の面から見て、ストレス耐性が低いといえる。近年はSNSでの自分の投稿に対する反応に過敏になってしまう人も少なくない。こうした人も同様に、ストレス耐性が低いと考えられるだろう。

また、失敗や苦労をあまり積み重ねていない人は、「経験」という要素においてストレス耐性が身についていないこともある。

ストレス耐性が低い人は投資に不向き ?

ストレス耐性が低い人は必ずいる。しかし、ストレス耐性を簡単な方法ですぐに高めることは、なかなか難しい。なぜなら、経験の積み重ねや考え方の根本的な転換が必要になってくるからだ。

では、そうした人は資産運用をすべきではないのだろうか。答えは「否」だ。次のような方法論を実践することで資産運用中のストレスを最小限に抑えることができ、投資を長期的に続けやすくなる。

ボラティリティが低い投資対象を選ぶ

ボラティリティが低い投資対象を選ぶことが一つの方法だ。ボラティリティとは、資産価値の変動幅のことを指す。例えば「個別株」と「たくさんの個別株に分散投資する投資信託」を比べると、後者のほうがボラティリティは低くなる。ボラティリティが低いと資産価値が一時的に落ちたときも、その下落幅は小さくとどまる傾向だ。

投資する金額を控えめにする

仮にボラティリティが高い投資対象であっても、投資額が少なければ損失の金額が小さくなる。そのため、ストレス耐性が低くても資産運用を続けやすいだろう。例えば、ボラティリティが高い資産に1,000万円を投資して価値が10%下落したとする。この場合の含み損は100万円だ。一方、投資額が50万円であれば価値が10%下落しても、含み損は5万円にとどまる。

インカムゲイン狙いの投資にする

投資対象の資産を保有しているだけで定期的に得られる「インカムゲイン」を狙った投資の場合、その資産価値の変動はそこまで重視しなくてもよい。そのため、ストレスをあまり感じずに資産運用に臨めるだろう。例えば外貨預金では、円預金より金利が高い外貨で預金を行うと円預金より多くの利息を定期的に得ることが可能だ。外貨預金をする際に為替の変動が心配なら、積立投資を選択することで為替の変動を平準化できる。

メンタルと向き合うことも成功のポイント

自分のメンタルと向き合うことも、資産運用を成功させる重要なポイントだ。自分にどれだけストレス耐性があるかを分析したうえで、どの投資対象にどれくらいの金額をまわせば投資を続けていけるか、一度考えてみよう。

(提供:大和ネクスト銀行


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