トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「今夜、前倒し政策金利決定、据え置きか。大統領イライラ」トルコリラ見通し

(通貨最下位、株価首位)   

予想レンジ トルコリラ/円4.0-4.5

*今夜、前倒しで政策金利決定、据え置きか サプライズは
*昨日はリラ買い介入実施か
*日銀介入後はリラは弱く、株価も上昇幅縮小
*エルドアン大統領は依然高金利を嫌っているとのメモが出る
*失業率悪化、若年層が高い
*6経常収支が9か月ぶりの黒字に回復
*7月消費者物価は低下
*中銀は現在利下げを検討していない 副総裁
*外貨準備増加で、海外当局からの外貨預金を返済中
*エルドアン大統領、イスラエルの戦争に介入示唆
*ムーディーズが2段階格上げ
*IMFは成長見通し引き上げ
*フィッチは2024年のトルコの成長率を上方修正
*5月月間予算黒字が過去最大に
*海外投資家は、最も速いペースでトルコ国債を購入

(日銀介入後はリラは弱く、株価も上昇幅縮小。リラ買い介入実施)
 やはり日銀介入後が弱い。介入前は円が最下位、トルコが11位であったが、現在は対円で年初来8.618%安。今月も4.19%安で最弱だ。トルコ中銀の政策金利会合を前にトルコ通貨リラが緩やかな下落を続ける中、国営銀行はリラを下支えするためドルを売却したようだ。
 イスタンブール100株価指数も世界首位は維持しているが年初来でピークの50%高から34.59%高に下幅を縮小した。10年債利回りは28.84%で高止まりしている。

(失業率悪化、若年層が高い)
 トルコの失業率は6月に9.2%上昇。5月の修正値8.5%から上昇した
6月の失業率は男性で7.6%、女性で12.4%。

15~24歳の若年層の失業率は17.6%で、前月に比べて1.7%上昇した。男性では14.8%、女性では23.2%だった。

(トルコの経常収支が9か月ぶりの黒字に回復)
 トルコの6月経常収支は、金輸入の減少、エネルギー料金の横ばい、観光収入の増加により、9カ月ぶりに黒字に転じた。黒字額は4億700万ドル。
年間の赤字額は前年の536億ドルから248億ドルへと半分以下に減少した。
「経常収支赤字の対GDP比率は第2四半期に約2.2%に減少し、第3四半期には2%を下回ると予想している」とシムシェク財務相は述べた。
 好調な観光収入とエネルギー輸入額の減少は、経済政策の転換中に経済への圧力を緩和するのに役立っている。

(今夜、政策金利は据え置きか。総裁がジャクソンホール会合出席で22日から前倒し)
 年間インフレ率は低下し始めたものの、トルコ中銀は今夜、政策金利を50%に据え置くと予想されている。
 ロイター調査では、回答者17人全員が、政策金利を据え置くと予想した。
 ただインフレのさらなる低下が予想されるため、中銀は今年後半か2025年初めに政策金利の引き下げを開始すると予想されている。
 カラハン中銀総裁はは、2024年末と2025年末のインフレ予測をそれぞれ38%と14%に維持しながら、金融政策の引き締め姿勢を維持するとした。
 アクチャイ副総裁は、デインフレの兆候がある中、時期尚早な緩和はインフレを再燃させ、経済困難を長期化させる恐れがあるため、現在、利下げサイクルは検討していないと述べた。
 
(7月消費者物価は低下)
 7月消費者物価は前年比で6月の71.60%から7月には61.78%に低下、予想の62.1%よりも大きな低下となった。前月比で6月の1.64%から7月には3.23%に上昇した。これは上昇ではあるものの、中予想の3.45%を下回った。

トルコの生産者物価も7月は引き続き下落し、50%から41.36%に下落した。また、前月比では1.385%から1.94%にわずかに上昇した。

これらの数字は、トルコのインフレが正しい方向に動き始めたことを意味し、中銀はそれを歓迎している。しかし、他の国と比較すると、インフレ率は依然として高いレベルにある。月間成長率も高く、トルコの国民ほとんどの商品に対してより多く支払っていることを意味する。

そのため、アナリストの中には、中銀がこれらのインフレ率を前向きに受け止め、時期尚早に金利引き下げを開始する可能性があると予想する者もおり、ドルリラは上昇した。