メキシコペソ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「プレジデンタ!!まずは4日連続陽線で祝福」メキシコペソ見通し

予想レンジ 7.3-7.8

 (ポイント)
*メキシコ史上初の女性大統領が誕生
*誕生以来ペソは強いが、株は弱い
*2つの不確実性(司法改革と米大統領選)がある
*ニアショアリングのチャンス拡大を逃すなと言いたい
*司法改革と海外企業の不安(最後の項=Vamos Mexico)
*中銀総裁は緩和継続示唆、タカ派のヒース副総裁は現状維持
*OECDが成長見通しを下方修正
*インフレ鈍化で2カ月連続で金利引き下げ
*9月前半CPI低下、2Q個人消費も減少
*天敵はトランプ氏
*中銀、OECDが成長見通し引き下げ
*2026年USMCA改定への議論開始、米国大統領選挙でも言及されよう
*メキシコの格付けはジャンク債の手前

 (不確実性の中、メキシコ史上初の女性大統領誕生)
クラウディア・シェインバウム氏が10月1日、大統領就任宣誓を行い、メキシコ史上初の女性大統領となった。司法改革へのニアショアリングへの影響、米大統領選への行方、中東紛争激化という不確実性の時代の中での出発となる。それを祝してかペソ円は4日連続陽線、ドルペソは3日連続陰線(ペソ高)となった。
 まだ不確実性(司法改革の実務への影響、米大統領選挙、遠くはUSMCA見直し)などは残るが、まずは罫線が立ち直ってきた。 
ただ株価(ボルサ指数)は弱く、年初来9.95%安で世界最弱。10年国債利回りは9.75%、8月の10%台からは低下しているが、海外からの資金を引き込む勢いは南アなどに比べるとない。
 
(メキシコ中銀総裁は緩和継続示唆、タカ派のヒース副総裁は?)
ロドリゲス中銀総裁は、今後の会合で利下げ幅の変更を検討する可能性があると述べ、より迅速な金融緩和への道を開いた。利下げペースを変えるには新たなインフレショックがなく、見通しが引き続き良好でなければならないと述べた。最近の物価上昇圧力は緩和しているが完全に消えたわけではなく、メキシコは依然として金融政策の引き締め姿勢が必要だと述べた。

 一方、タカ派のヒース副総裁は、政策金利は現行水準により長期間とどまるべきとの見方を示した。コアインフレ率は金融当局の目標に近づいているものの、依然として金利を高水準に維持する必要があると述べた。 サービスインフレの根強さに対処する必要があるとも指摘。その上で、今年4Qにインフレ率が低下すれば「金融政策正常化に向けた道を進むことが可能になる」と語った。ヒース氏は9月の金融政策決定会合で唯一、10.5%への利下げに反対、10.75%での据え置きを主張した。

(OECDが成長見通しを下方修正)
最近は個々の経済指標がやや弱い。OECDは2024年のメキシコの成長率を1.4%と予想しており、これは以前の予測より0.8%ポイント低い。この下方修正は、メキシコの雇用が鈍化する中で行われた。メキシコのインフレ率は2023年の5.5%から2024年には4.5%、さらに2025年には3%に低下すると予想している。