人民元見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「明日GDP発表、人民元は堅調、株価は乱高下」人民元見通し

(通貨3位、株価15位)
予想レンジ 人民元/円 20.7-21.2

(ポイント)
*習国家主席は、米国と友人となる用意があると発言
*人民元は堅調、株価は乱高下
*物価下落続く
*明日は3Q・GDPなどの発表
*藍財政相は、景気対策を打ち出すが、景気刺激策の規模は示さず
*9月貿易統計、輸出伸びず
*本日、不動産業界について政府が会見予定
*ゴールドマン・サックスは成長見通し引き上げ
*ブラックロックなど世界の投資家が中国への投資判断を引き上げ
*豪中財務相会談が開催された
*米政府、対中関税引き上げを最終決定
*定年引き上げ案を承認 年金財政逼迫を緩和 

(人民元は堅調、株価は乱高下)
 一連の大胆な経済政策で株価は乱高下するも人民元は堅調だ。10月はここまで月間4位、年間では3位。米ドルが月間2位、年間4位なので常に米ドルと半ば連動(バスケット制度)して動いている。
藍仏安財政相は、景気変動を抑制するカウンターシクリカル対策を年内にさらに打ち出す方針を示したが、景気刺激策の規模は示さなかった。過剰生産能力や消費低迷といった、より根深い構造的問題に真剣に取り組む必要があると指摘している。株価は上昇を一服し
上海総合指数は年初来7.66%高、香港ハンセン指数は19.0%高。今年は一時マイナス圏に陥っていたので、それから見ると景気刺激策は効果を発揮している(日経平均は17.08%高)。10年国債利回りは2.13%で大きくは動いていない。

(明日は3Q・GDPの発表)
明日18日に中国の3Q・GDP発表がある。中国の今年の国内総生産(GDP)成長率は4.8%と、政府目標の「5%前後」に届かない公算が大きく、9月下旬以降景気てこ入れを強化してきた当局は、追加の経済対策を迫られ続けるとみられる。
3Qは前期の4.7%から4.5%に減速し、昨年1Q以来の低い伸びにとどまる見通し。
一連の景気刺激策を受けて4Qに経済活動は持ち直すだろう。

人民銀行は9月下旬に利下げや1兆元の流動性供給、不動産・株価下支え措置などを含めて、コロナ禍以降で最大規模の金融面からの経済支援策を発表。さらに、期間1年の最優遇貸出金利(LPR)を0.2%、預金準備率を0.25%それぞれ引き下げると見込まれている。
他に9月鉱工業生産、小売売上、固定資産投資、失業率の発表がある。

(物価下落続く)
9月の消費者物価上昇率は鈍化し、生産者物価は過去6カ月で最大の下落となった。消費者物価は前年比0.4%上昇。8月の0.6%上昇から減速した。生産者物価は前年比2.8%下落。8月の1.8%下落から予想の2.5%下落以上に下落幅が拡大した。

(9月貿易統計、輸出伸びず)
9月の貿易統計によると、輸出は前年同月比2.4%増で、5カ月ぶりの低い伸びとなった。中国製品に対する世界的な需要が軟化していることに加えて、複数の貿易相手国が中国製品に追加関税を適用することも影響しているとみられる。 予想は6.0%増。8月は8.7%増加した。
輸入は前年比0.3%増となり、予想の0.9%増を下回った。8月は0.5%増。
消費者と企業の信頼を回復し、経済をより強固なものにするには長い時間がかかる 貿易黒字は817.1億ドルで、8月の910.2億から縮小。

(本日、不動産業界について政府が会見予定)
中国国務院新聞弁公室は不動産業界の「安定的で健全な」発展の推進に関する会見を
10月17日に開くと明らかにした。

(ゴールドマン・サックスは成長見通し引き上げ)
ゴールドマン・サックスは、中国政府の最近の経済成長支援策を受けて中国の実質GDP予想を従来の4.7%から4.9%に引き上げた。