この記事は2025年5月1日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Dzmitry/stock.adobe.com)

2025年5月1日(木)の午後12時時点に外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券を経て、1991年メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月外為どっとコム総合研究所入社。

現在の為替相場の傾向や相場観

昨日4月30日(水)の米ドル/円相場は約0.5%上昇。143円台を回復して4月の取引を終えた。月間では約4.6%下落して4カ月連続の月足陰線となった。2021年以降で初の4カ月連続下落であり、これについては上昇相場終了のシグナルと見ることもできる。

ただ、4月相場はトランプ米大統領による関税強化やFRB議長の解任示唆などで「米国売り」が強まる場面があったにもかかわらず、昨年2024年9月に付けた安値139.58円前後を下回ることなく推移した。 139.58円前後は、強い下落シグナルとされる三尊天井(トリプルトップ)に向けた「ネックライン」としてきわめて重要な下値ポイントだ。この水準を維持した点は相場の底堅さを示す動きとして評価できるだろう。

市場の混乱を招いたトランプ関税の大部分は7月まで発動が猶予されているほか、FRBは関税の影響を見極めようと早期の利下げに慎重な姿勢を示している。

足元のドル売り圧力は4月中旬に比べて弱まっていると考えられる。

現在の為替相場の戦略やスタンス

明日5月2日(金)に発表される米4月雇用統計が米国景気の急減速を示さない限り、米ドル/円が目先的に140円割れを試す可能性は低いと見る。

むしろ、円ロングに大きく傾いた投機筋のポジション圧縮による145円超えへの反発を警戒すべき地合いではないだろうか。

なお、今回発表の米4月雇用統計の市場予想は非農業部門雇用指数13.5万人増、失業率4.2%となっており、米国の労働市場が依然として底堅さを維持すると見られている。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。