狙いは顧客の囲い込み!?

たとえばイオンでは、「WAON」やイオンのクレジットカードを使って買い物を行うとポイントがつく。そのポイントはイオンでしか使えないため、顧客はまたイオンを利用する。さらにお金の引落しなどをイオン銀行で行うことで、お金の流れを循環させるシステムも構築している。顧客はわずかなポイントでもお得感を感じるので、ポイントを貯めて同じ場所で買い物を繰り返すようになる。つまり、決済ビジネスの最も大きな狙いは、独自の決済方法を顧客に使わせることで、企業側としては顧客の囲い込みを図ることができる点にあるのだ。


強引な手段には反発も・・・

インターネット流通大手、楽天 <4755> の「楽天市場」は、11月13日から銀行振込を利用する際は楽天銀行の口座に一本化した。これまでは各店舗が指定する銀行を振込先として使うことができたが、今後は楽天が指定した楽天銀行の口座に振込をしなくてはいけなくなる。楽天の広報担当者は『詐欺を防ぐため』と語るが、狙いが顧客の囲い込みと楽天銀行の利用者増加にあることは明白だ。

そのため、一部の店舗からは「これまでの日本の商習慣ではありえない」との反発を受けている。楽天側には『目に見える利益の流れはない』と反論しているが、顧客である出店者の囲い込みや管理を行うことは明白で、さらには楽天銀行の利用を活発化させることで利益を見込むことができる。決済ビジネスへの参入といえども、さすがに今回の楽天の強引なやり方には賛否両論がありそうだ。

(ZUU online)

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