事業承継4

こんにちは。事業承継問題に取り組んでおります行政書士のS.Kです。
毎週木曜日にオーナー企業のための事業承継を連載しております。

事業承継をめぐる問題は非常にたくさんありますが、今回は許認可の承継というやや特殊な問題について、行政書士と非常に縁が深い建設業のケースを例にとって説明させていただきたいと思います。
今回は主として建設業の方向けの内容となってしまいますが、ほかの業種の方にもなるべくご参考になるよう、専門用語には解説を加えるなどなるべくわかりやすくまとめていきたいと思います。

【参考】

相続・承継でお悩みの方必見!大事な家族へ財産を残すための保険の活用法
閉じ込められる個人金融資産1500兆円
「オーナー経営者がこぞって企む相続税節税の㊙テクニック」

【オーナー企業のための事業承継シリーズ】

オーナー企業のための事業承継vol1「事業承継の必要性と円滑化のための法制度とは?」
オーナー企業のための事業承継vol2「後継者選びのポイントとは?」
オーナー企業のための事業承継vol3「後継者選びのポイントは?その2」


◉許可は承継されるのか。


まず、許認可事業(以下では許可に限定します。認可や免許についても同じ問題は生じます)の場合には、世代交代があった場合に許可が承継されるのかということが問題となります。
といいますのは、預貯金や株式などの資産は、現代の法律では次世代に承継(相続)されることとなっていますが、許可は必ずしも承継されるとは限らないのです。

例えば、運転免許も一種の許可のようなものにあたります(厳密には、運転免許は行政法学上の特許というものにあたります。しかしここでは説明の簡略化のため、行政行為の分類という純行政法学的な問題には触れないこととします)。
この運転免許について次世代に承継ないしは相続されると考える方はおられないと思います。つまり、感覚的にお分かりいただけるかと思いますが、許可は、財産権とは異なり法律上当然に承継されるとは限らないものなのです。

そのため、許認可事業の事業承継に取り組まれる場合には、それぞれの事業の許可の制度を調べ、許可が承継されるための手続きがそもそも存在しているのかを調べることが必要となります。これが許認可事業の承継に関する独特の問題点となります。
例えば、これから述べる建設業については一定の要件を満たせば世代交代が起こっても許可の承継は可能です。また、高級クラブや料亭、パチンコ店などの風俗営業の場合には承継は理論上可能ですが、実際には不可能に近い事案もあります。
(御社の業種が許可の承継が制度的に可能か否かという点、事実上承継が可能かという点については行政書士が許認可について最も詳しい専門家ですのでご相談されることをおすすめします。)

このように許可を得て事業を営まれている会社様の事業承継の場合には、まず許可の承継が可能かどうかを検討される必要があります。