当面は“ドラギバブル”持続の見通し

ECBの量的緩和実施決定の動きを受けてEU株式市場は7年ぶりの高値となっており、ドイツのDAX指数も市場最高値を更新。当面はドラギバブルが株式市場を席捲することになりそうな状況である。為替についても、ユーロドルは緩やかにパリティである1ユーロ1ドル方向に向かうことは、ほぼ間違いなさそうだ。

ただ、懸念事項もあり、先行事例である日本の状況を見ればそれがよくわかる。つまり、株価の上昇につられて、景気がよくなるわけでは必ずしもないというのが大きな問題とみられている。例えば、原油をはじめとして物価に影響を与えるコモディティ価格などが下落すれば、簡単にインフレ率の頭を抑えてしまうのは日本が直面している状況とほぼ同じだ。QEがデフレ状況を打破する決定的特効薬と決まったわけではないところに、不安が残る格好だ。


QE持ち回りの課題は“無事に出口をくぐれるか”

すでに先進国中央銀行の政策としてすっかり定着した感のある量的金融緩和策。本質を例えれば、それは“ババ抜きゲーム”だ。経済環境は世界的なゼロサムゲームの様相を呈しており、参加者が徐々に少なくなりいきおくれた金融機関がしわ寄せを食らう世界同時QEはさながら、前代未聞の壮大なババ抜き大会だ。

非伝統的であったはずのQEが世界の先進各国で日常的に行われた結果、負の効果が顕在化してくるのか、今後とも注意深く見守っていく必要がありそうだ。

(ZUU online)

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