プロキシーファイト
(写真=Thinkstock/Getty Images)

大塚家具 <8186> の委任状争奪戦(プロキシーファイト)が激しさを増している。過去もプロキシーファイトとなる事例は何件かあったが、今回は何が異なるのか、過去の事例と比較して見ていく。


サッポロHD vs スティール・パートナーズ

過去に起きたプロキシーファイトとして、2007年にビールメーカーのサッポロHD <2501> と、米系投資ファンドであるスティール・パートナーズの間で起こった例がある。

2006年からサッポロHD株の買い増しを進めていたスティール・パートナーズに対し、サッポロHDはスティール・パートナーズによる買収を防ぐために、2007年3月の株主総会を前に、新買収防衛策の導入提案を取締役会で決めた。

一方、スティール・パートナーズは、サッポロHD株の買収を進めたい狙いから、新買収防衛策に反対し、反対に賛同する委任状の送付を行った。結局、2007年3月の株主総会では会社提案の新買収防衛策は承認される一方、スティール・パートナーズの株主提案は否決され、サッポロHD側が勝利を収めている。

その後、2010年の株主総会の際にも、サッポロHDとスティール・パートナーズでは取締役選任に関して違った提案が出されたが、この時もサッポロHD側の提案が可決され、スティール・パートナーズの提案は否決されている。

サッポロHDとスティール・パートナーズの間に起こったプロキシーファイトは、会社の支配権をめぐって外部の投資ファンドが買収をかけ、それに反対する内部の現経営陣との間で起こった事例と言える。


アデランスHD vs スティール・パートナーズ

サッポロHD相手のプロキシーファイトでは敗れたスティール・パートナーズであるが、2009年に起きたアデランスHD <8170> に対するプロキシーファイトでは勝利を収めている。

2009年5月末の株主総会時点でアデランスHDの26.7%の株式を保有していた米スティール・パートナーズは、株主提案として取締役の選任を提案。一方、米スティール・パートナーズの提案に反対するアデランスHDは、国内投資ファンドのユニゾン・キャピタルと組み、取締役の選任提案を提出した。

この取締役選任案に対するプロキシーファイトが行われ、結果、米スティール・パートナーズが提案した8人の取締役は8人全員が選任された一方、会社側提案のうち、ユニゾン・キャピタルが送り込んだ3名の取締役は全員否決された。

また、株主総会後に予定されていたユニゾン・キャピタルによるTOBは、取締役選任が否決されたことで取りやめとなり、アデランスHDの株は株主総会後一時急落した。

アデランスHDとスティール・パートナーズの間で起こったプロキシーファイトは、サッポロHDの例と同じく、外部の投資ファンドが経営権を握ろうとして、内部の現経営陣とのプロキシーファイトとなった点は同じであるが、会社側が敗北した点が異なっている。