最近「FinTech」が注目を集めている。FinTechとは、FinanceとTechnologyを掛け合わせた造語であり、ITを駆使した新たなスタイルの金融サービスを提供するスタートアップを意味する。
金融・ITで世界のトップを走る米国では、このFinTech関連のスタートアップが次々と生まれており、決済、資産管理、融資・投資、会計等の分野で新しいサービスを創り出している。日本においても、家計管理の「Money Forward」やオンライン会計ソフトの「freee」等が台頭し、注目されている。注目FinTechをサービスの分野別に見てみよう。
オンライン決済サービス「PayPal」
この分野では「PayPal」が世界的に有名だが、より便利な決済システムとされるのが「Stripe」だ。このStripeは、ECサイト等の決済サービス利用者が数行のコードを埋め込むだけで、決済機能を顧客に提供できる。従来、本人確認書類の提出やAPIの取得等、煩雑な手続きが必要であった決済サービスが、より短期間で簡単に利用できるのだ。
また、PayPalのように、自社サイトで購入をする顧客が、決済のためにPayPalのサイトに飛ぶことなく、サイト上で決済を完結できる。決済を自社サイト上で完結させることで、顧客の離脱を最小限に抑えることもできるのだ。アップル、FacebookもStripeのサービスを利用しており、その注目度の高さがうかがえる。
クラウドファンディングの「Crowdcredit」
日本の「Crowdcredit」は、南米ペルーを中心とした新興国のプロジェクトへの投資を、オンライン上で集めるサービスだ。プロジェクトへは資金を、投資家へは投資に対するリターンをもたらす。これは「クラウドファンディング」と呼ばれる、不特定多数の人がインターネットを介して、他の人々やプロジェクトに資金提供する仕組みの一つである。
米国では「Kickstarter」等が有名である。アイディアはあるが金融インフラが未整備な発展途上国の起業家、いい映画の着想はあっても製作資金が無い映画監督等々、サービスやコンテンツはあってもお金が無い人々と、彼らへ投資や支援をしたい人々を結びつけるのだ。スポーツ、アート等、特定の分野に特化したクラウドファンディングも次々と生まれている。