◉要人発言
市場における要人であるのは各国の経済政策担当大臣や中央銀行総裁などで、彼らの発言からは、経済運営、金融政策の今後の方向性がある程度明らかになる場合があり、その結果、相場にインパクトを与え大きな為替変動を生むことがあります。
そのため、市場参加者は要人発言にたいへん注目しています。
具体的に日本では政治家、経済財政政策担当大臣、日銀総裁、財務事務次官など、アメリカでは大統領、FRB(米連邦準備制度理事会)議長、FRB理事など、EUでは欧州連合(EU)加盟国首相、ECB(欧州中央銀行)総裁、理事、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)議長などを指します。
要人発言は、インターネットのニュースサイトや新聞、テレビなどで確認することができます。たとえば、2013年1月15日、甘利経済再生担当相は、「過度な円安は輸入物価にはねかえり、国民生活にはマイナスの影響も出てくる」と発言したことにより、当時1ドル89円ほどだった相場は発言後一気に100pips近く円高になりました。
◉経済指標
以前述べましたが、米製造業受注、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録など注目すべき経済指標は数多くあります。
たとえばこれら米国の経済指標で次々と強い内容が発表されたとすると、米国景気に対して楽観的な見方が伸び、ドルがその他の主要通貨に対して一気に上昇する流れとなります。これによって景況感の良い国の通貨は買われ、景気がよくなると海外からの投資チャンスが増え、資本が流入します。これらがドル買いの要因となり、ドルの価値が上ることになります。
◉各国の経済状況
基本的に経済状況が良いであろう国の通貨は人気です。例えば日本の景気が悪くなったとすると、他の主要通貨に投資マネーが流れていってしまうことはもうお分かりだと思います。
また、豪ドルやニュージーランドドルはもとから金利が高いので、外国為替取引ではよく利用されている通貨の一つです。
◉その他の投資との関連性
また、為替相場は株価や金の価格と連動するということが知られています。例えばFXをやっている人が、FX取引をするときに株価や金の値段をチェックするケースは多いようです。それはFX取引のためだけのチェックということもありますが、資産を分散して投資している方はどのみちチェックすることになるので、分散投資はリスクを軽減するのに一石二鳥というわけです。
以上、これらは為替相場の変動要因として重要なものばかりです。投資家として活躍する方は普段から日常的にこれらの情報収集を行われているかと思いますが、投資をこれから始めてみようと思われている方は特に、これらに注目して日々情報を集めてみてください。
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