―最近は海外株式を組み入れたファンドも注目されていますが、海外の企業の調査や経済情勢が把握できるような調査体勢も評価のポイントになるのでしょうか。

朝倉 :日本で設定されている投資信託のうち約5000本が追加型の株式投信です。上場会社は現在約3500社なので、ファンドは上場企業より数が多いです。個人投資家は5000本の中から優秀なファンドを選ばなくてはいけないので非常に大変です。5000本のうち、日本株ファンドは日本の運用会社の中にファンドマネージャーがいて運用していますが、全体の純資産残高のわずか15%程度です。残り85%が海外の株式、債券、あるいはリート型ファンドです。

海外の資産クラスは、日本の運用会社が自前で運用していないケースが多く、海外の運用会社に運用を任せている場合が多いです。海外に任せる運用は自社の運用ではありませんから、よくゲートキーパーと言われますが、実際に門をキーピングするだけであって、ファンドは作れても運用は違うところに任せているということです。

海外のファンドマネージャーが運用しているということは、日本の運用会社だけに訪問してもよくわかりません。海外のリートのファンドを評価する場合、実際に運用している運用会社の調査をしなくてはいけないとなると、日本のモーニングスターだけでは難しいです。

当社は米国を含めて世界27ヵ所に拠点がありますが、例えば米国で運用しているブラックロックやフィデリティ、キャピタルリサーチには、シカゴの本社が彼らと色々なディスカッションをしています。そのグローバルなネットワークをまるごと使えるというのが当社の強みです。

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