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(写真=Thinkstock/Getty Images)

景気の回復基調が続いている。内閣府が8日に発表した3月の景気ウォッチャー調査によると、街角の景況感を示すDI指数は、前月比2.1ポイント増の52.2ポイントとなり、4カ月連続の増加となった。

外国人観光客の増加や株価上昇に加え、賃上げへの期待が景況感を押し上げる形となり、これを受け内閣府は、景気判断を2カ月連続で上方修正している。

景気に後押しされるように、賃上げの動きも好調だ。2015年の春季労使交渉第1回回答によれば、定期昇給とベア(ベースアップ)を合わせた賃上げ率の平均は2.43%、金額にすると7,497円となり、過去15年間で最も高い数値となった。


非正規雇用でも賃上げが相次ぐ

契約社員やパートといった非正規社員の賃上げも、大企業を中心に相次いでいる。KDDI <9433> では、契約社員約3,600人の月額平均給与を4,800円増やすと発表。

株式上場をひかえている日本郵政グループでは、契約社員5,000人を対象に月額平均給与の1,000円増を決めた。

イオン <8267> やイトーヨーカ堂といった大手スーパーでは、パートやアルバイトの時給で17.6円から22.6円の引き上げを実施している。

非正規社員の賃上げが相次いでいる背景には、深刻な人手不足がある。厚生労働省が発表した2月の有効求人倍率は、1.15倍となり、1992年の調査以来実に23年ぶりとなる高い水準となった。

一方、総務省が発表した完全失業率は3.5%と、こちらは非常に低い水準となっている。こうした人手不足を背景に、中には賃金を底上げするベアで、正社員より契約社員を優先させる企業も出てきた。

大丸松坂屋百貨店では、契約社員1,500人を対象に、月額で一律1,000円のベアを実施すると発表。正社員のベアは要求していない。これは、大丸と松坂屋が2007年に経営統合して以来、初めてのことだ。

非正社員から正社員への動きも活発になってきているが、今後もこうした賃上げが継続的に行われるかが、正社員から非正社員への転換を促し、両者の格差を縮める上での鍵となってくるだろう。


今後、賃上げの動きが拡大する業界は?

大企業を中心に、賃上げの動きが活発化しているとはいえ、まだすべての業界に効果が波及しているとは言い難い。

今後はどういった業界に影響が及んでくるだろうか。求人倍率の増加率と、実際の就業者数の増加率を比較することで、今後人材を必要とする産業が見えてくる。

有効求人倍率の増加率を産業別にみると、高いものから順に、医療・福祉+8.7%、宿泊業・飲食サービス業+6.1%となっている。

また、実際の就業者数の増減率では、医療・福祉+0.1%、宿泊・飲食サービス業-1.3%となっており、実際の就業者数に対し、求人の需要が大幅に増加しているため、こうした業界では人材不足がより深刻な状況にあると予想される。

今後、人材の確保を目的とした賃上げが実施される可能性も高いだろう。


人材不足に危機感を抱く介護業界

厚生労働省は4月から介護報酬を改定し、介護職員の月給を1万2千円増やすための原資となる「処遇改善加算」を新たに設けた。多くの介護事業者が、これを元手に賃上げを実施すると見込まれている。

また、大手の中には加算以上の賃上げを予定しているところもあり、最大手のニチイ学館 <9792> やセントケア・ホールディング <2374> などは、賃上げを1万2千円にとどめず、独自に上積みする方針だ。

九州をメインエリアとするシダー <2435> は、定期昇給による2千~3千円を加え、月額1万5千円程度の賃上げを予定している。

深刻な人手不足への対処と人材確保を目的とした賃上げの動きは、今後もますます活発化すると予想されるが、この動きがすべての産業や中小企業にまで波及していくかは未知数だ。

今回の賃上げ率は、消費税増税率よりも少ないとする向きもある。さらに景気が勢いづくためには、もう少し時間がかかりそうだ。(ZUU online 編集部)

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