マクドナルド
(写真=Getty Images)

「マック」の愛称で親しまれてきたマクドナルドホールディングス(HD) <2702> に逆風が吹き荒れている。ファストフードの象徴ともいえる立場を築いてきたが、吉野家 <9861> やゼンショー <7550> などの格安牛丼と並んで、「デフレ飯」を提供する各社の労働環境に批判が集まるといった苦境にあえいでいる。

大衆居酒屋を運営するワタミ <7522> と同様に、過重労働が大きくクローズアップされたり、客足が遠のいたりするなど、さまざまな問題が噴出している。「ブラック企業」と揶揄されるなどのイメージ悪化だけではなく、安倍政権の目玉の一つ、経済政策の「アベノミクス」によるインフレの後押しも価格で勝負をかけるモデルには逆風だと言えそうだ。

さらには、中国の取引先が発端となって生じた鶏肉問題や、ハンバーガーへの異物混入などの不祥事といったトラブルもあり、将に「課題山積」だ。


「ビジネスリカバリープラン」で打ち出す店舗再編

マクドナルドへの厳しい現状は、しかし、労働環境や経済のインフレ傾向に合致していないということだけではなく、業績面にも顕著に表れ始めている。というのも、遅れに遅れた2014年12月期の決算もこのほど公開され、業績の低迷傾向もはっきりし始めたからだ。

その、マクドナルドホールディングスの2014年12月期を4月16日に公表。同社が380億円の赤字を計上することが判明した。同社の経営成績については、2013年12月期の決算でも、上場以来はじめての赤字として約250億円の損失が計上されており、赤字決算が2期連続してしまった格好だ。単純な労働環境への批判であったり、原価の上昇による一時的な苦境だと呼べそうにはない。

同社はこうした苦境を乗り切るために、「ビジネスリカバリープラン」を、2014年12月期の決算と併せて公表した。逆風の吹き荒れる環境や、急激な業績悪化を回復して逆境を打開していく姿勢を示してはいるが、十分なものか疑義も呈されている。

マクドナルドのビジネスリカバリープランとしては、「より顧客にフォーカスしたアクション」などを同社は掲げる。具体的には、選択肢をより広げたセットメニューの設定や、ハッピーセット用の新メニューの導入が盛り込まれた。ほかにも、顧客の声をリアルタイムに受け付けるモバイルアプリ「KODO」のリリースも同社は施策の一つとして実施する予定だ。

ほかにも、すでに広く知られているが、同プランは不振店舗の閉鎖を進めることも明らかにしている。同社はそのために、成長を見込めそうにない131店舗を2015年内に閉鎖し、さらに2000店舗の改装を今後の4年間で実行する見通しだ。


賃金・報酬にも入り込む「リカバリープラン」のメス

さらには、同社の経営陣も、現状の厳しさをようやく理解し始めたのか、人員体制の見直しや給与体系にもいよいよ手を付け始めた。

一つの施策として同社が打ち出したのは、希望退職の募集だ。ビジネスリカバリープランでも、100人規模の早期退職制度を実施。給与体系の見直しも同時に行い、業績の芳しくない社員の給与を引き下げる。一部の報道によれば、業績別に社員を4等級に分け、3番目や4番目の社員を対象に基本給を1~4%カットするとのこと。

併せて、マクドナルドホールディングスの経営陣は、自らの報酬カット実行も表明。社長のサラ・カサノバ氏の報酬については20%、その他の役員についても10~15%の報酬が減額される。マネジメント自らも身を切る姿勢を示したところだ。


「対応遅れ」の批判に回答。が、実効性は?

マクドナルドHDのビジネスリカバリープランについては、現経営陣にが描く、とりあえずの処方箋を示した形だ。カサノバ社長率いる経営陣が自分の懐もいためながら生み出したもプランとして、一つの方向性を示したといえるだろう。

ただ、遅すぎた決算発表とビジネスリカバリープランについては、立ち止まって考えてみる必要もあるだろう。3月末に行われた株主総会でも、厳しい現状への対応策を出せずに、批判を受けた経緯もある。その末にやっと、ようやく出てきたリカバリープランが十分なものなのかという疑問は拭い去れない。

現経営陣がどのように業績回復の成果につなげていくのか、今後の展開に注目が集まる。(ZUU online 編集部)

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