東京 不動産

アベノミクスはその勢いがそれほど衰えるところも見せずに年末を迎えようとしています。私もこの場で何度も申し上げているかもしれませんが為替をヘッジした上での日本不動産投資(並びに日本株)というのは極めて有効でしたし、その有効性は今後も続いていくのではないかという思いを強くしております。私は不動産を扱うのが主の業務ではないですが、以下のようなストーリーをアジア、中東の超富裕層と言われる方達に話すと大抵強い賛同、関心を得られます。

【参考:直近のシンガポールプライベートバンカーシリーズ】

世界で活躍するプロフェッショナルの条件〜シンガポールでの採用活動を通じて感じる事〜
富裕層を魅了するシンガポール~教育問題・言論の自由…その魅力の裏に潜む影~
大事なのはお酒とゴルフ?〜もしアジアの大富豪からホームパーティーに呼ばれたら〜
プライベートバンク×インベストメントバンク?~アジアンバンカーのダイナミズム~
日本の富裕層の不遇〜真に頼れるプライベートバンカーの姿とは?〜

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1)安倍政権、日銀には逆らえない


アベノミクスの主眼は2%のインフレーションを達成することです。マネタリーポリシーを司る日銀/黒田総裁の完全なバックアップを受けているという異常な状況です。安倍政権が少しもたつこうが何をしようが、日銀はREIT/ETFの買い入れ枠も機動的に増やすでしょうし、政府も年金の運用比率をよりアグレッシブに変えていくでしょう。このインフレターゲットという目標が達成される過程でリスクアセットが上がらないはずがないというように思います。


2)中央銀行間における明らかな方向性の違い


FRBは明らかに出口戦略に向かっており、英国も驚くほど米国と似通った形で経済が好転しているように見受けられます。しかし、それとは対象的に黒田総裁は就任してからまだ7ヶ月ほどしか経っておらず、CPIが少しづつ上がってきたものの消費税増税を前にして果たしてそのトレンドが続くのだろうかと懐疑的に見られているむきもあるかもしれません。この状況はリスクアセットへの環境からすると非常に好ましく、CPIが一気に上がるのではなくだらだらあがっていってもらう方がマーケットの息が長く続くのではないでしょうか。その際には断続的な円安が結果として発生しているものと考えられ外人投資家たちの意欲をより一層引き付けるものに他なりません。


3)他マーケットに比べての依然とした割安感


この点については何度も述べているかもしれませんが、時間が経つにつれて、この傾向が強まっているような気がします。シンガポールや香港については今さら申し上げることもないでしょう。英国についてはアジア、中東、東欧の投資家たちの買いサイクルは一旦収まってきているのではないでしょうか。英国政府としても国民に対する住宅購入を積極的に促す政策の見直しを考えているとも伝えられます。このタイミングで耳にするのは中国の政府系投資家くらいでしょうか?米国についてはマーケットサイズ自体も大きいため他のマーケットに比べての過熱感はそれほどないかもしれませんが、私が知ってるアジア人で米国不動産投資家はそれほど多くはありません。分散投資の最後のマーケットであり、またそれなりの利回りが稼げそうであるという期待感、アベノミクス/オリンピックという分かりやすいテーマなどから日本不動産に対する彼らの興味・関心は非常に高いと言えます。


4)ワイルドカードとしての中国人投資家


2008~2009年の金融危機前には中国人投資家は非常に積極的に日本の不動産を買っていたことを思い出します。また、日本の不動産投資の良いところは、税制/言語などが抑制要因として働く一方、買い手のプロファイルによって取得/保有の条件を差別するといったことは原則ないことだと思います。現状としての日中関係を鑑みた際に、この対立は非常に深刻なもののように思われます。しかし、何かの拍子に関係が正常化するとすれば中国人投資家が(特に政府系)大挙押しかけてくるのではないでしょうか?上でも述べましたが、英国の不動産を500億~1000億出して買ってるのは彼らだけですし、彼ら自身が自国の高騰し続ける不動産からどこかに分散する必要性を強く感じているであろうことは想像に難くありません。