こんにちは、N.Sです。
本日のメインは、表題にある通り、日本とアジアの新興国におけるプライベートバンカーのビジネスの違いについてを取り上げます。
しかし、せっかくの機会ですので、本論に入る前に簡単に、シンガポールでプライベートバンカーをしている私なりの相場感を語らせて頂きます。

◉直近の金融市場に対しての海外投資家の反応


時が立つのは早いものですね。それをより一層感じさせるのがマーケットの目まぐるしい変化かもしれません。

週刊誌等が、こぞって株特集などをやり始めるのを見て、「そろそろマーケットも天井なのかな?」なんて思ってしまうのですが、急激な円安に対する諸外国からの強い圧力はまだ見受けられません。また、米国や中国の経済指標が、着実に改善傾向を示しているという外部環境もかなり追い風にはなっているでしょう。

TPPとか増税という、かなり労力を使わざるを得ない難題は参議院選挙後まで先送りし、何とか4月の日銀新総裁就任、そして、それに伴う強力な非伝統的金融政策の発表といったコンセンサスが出来ており、少なくとも夏まではマーケットが保つという安心感はかなり醸成されつつあるように感じられます。

前回も書きましたが、日本の政治的背景を理解しない、もしくは重要なイシューであると認識しない海外投資家勢は、「主要閣僚が1ドル100円になるって言うんだからそりゃそうなんだろ」という単純な理由で円ショート(円売り)を積極的に行っているものと思われます。私の顧客にもこちらから何も案内もしていないのに関わらず、91円辺りでドルのローンを円のローンに変えた方がおられました。

株高かつ金利安(債券高)といったこの上ない環境を享受できる邦銀勢、想定為替レートからまだ余裕がある自動車、大手電機の業績見通し改善期待なども買い安心感の一つかもしれません。

参考: アベノミクスへの評価と投資環境への影響~シンガポールから考える投資アイデア~