スーパードライ
(写真=HPより)

4月30日、アサヒグループ <2502> は2015年12月期第1四半期の決算を公表した。売上高は3741億円(前年同期比0.2%減)、営業利益は108億円(同29.7%減)、経常利益は130億円(同27.9%増)であり、純利益は133億円(同410.8%増)となった。1株当たりの純利益は28円80銭と昨年の5円64銭を大幅に上回っている。

当期を最終年度とする「中期経営計画2015」のもと、ブランド価値の向上に取り組んだ。また、売上と利益の成長を最優先に、株主還元の充実などにより資本効率を高め、ROE(自己資本利益率)とEPS(1株当たり当期純利益)の向上に努めた。国際事業は前年同期の実績を大幅に上回り、当期純利益を大きく引き上げたが、国内は駆け込み需要の反動減が響いた。

酒類事業では、洋酒、ワイン、アルコールテイスト清涼飲料は好調だったが、主力のビール類は不調だ。売上高は、前年同期比6.3%減の1808億円となった。新技術による味の改良や、季節ごとのパッケージデザイン、アルコール度数を高めた商品の限定発売などで「アサヒスーパードライ」のブランド価値の向上を図った。また、健康意識の高まりを背景に「クリアアサヒ 糖質0」を発売するなど、ラインアップの拡充を図ったものの伸びなかった。

唯一売上が伸びた国際事業では、オセアニア事業が堅調に推移したことや「Etika」グループの業績の上乗せ効果などにより、売上高は、前年同期比24.0%増の626億円となった。オセアニア事業は、地域事業会社の主力ブランドの育成や成長分野におけるマーケティング投資により、飲料と酒類を合わせた総合飲料事業として成長している。また、東南アジア事業では主力商品を中心にブランド力を強化し、中国事業では生産拠点におけ
る品質の向上と収益性の改善を行った。

4月22日、アサヒはキリン、サッポロと共同でビールなどの都内の配送を始めると発表したが、当社の課題である酒類事業の物流コスト削減が狙いだ。他にも、缶蓋の変更による原材料コストの削減や固定費全般の効率化など、様々な対策を講じている。

第1四半期の連結業績は、伊藤忠商事の頂新(ケイマン)ホールディングにおける出資形態の変更等の取引に伴う利益を計上し、また、豪州の出資に対する税制優遇スキームの活用及び税制改正に伴う税効果影響により法人税などが減少することを受け、経常利益を465億円(前回予想比17.7%増)、純利益を305億円(同64.9%増)に上方修正した。(ZUU online 編集部)

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