米ディズニーの役員報酬は20億円

東南アジア諸国では日本企業の役員報酬額を超える企業が出てきているが、一方、米国では、高額の役員報酬がたびたびニュースとなり世間をにぎわせている。 有名企業のトップの現金報酬額を挙げてみると、ウォルト・ディズニー・カンパニーは約20億円、ゼネラル・エレクトリック(GE)は約13億円、金融のシティグループは約11億円と、桁違いに高額だ。日本のトヨタ自動車 <7203> の社長でも2億3,000万円であることを考えると、その差がいかに大きいかがわかるだろう。

米国企業の役員報酬の傾向として、業績の良し悪しに完全には連動せずに常に高額となりがちだということが挙げられる。米国企業では報酬金額を決める人とその報酬を得る人が同じであることが多いため、報酬が高額になりやすいのだ。過去には、膨大な赤字を出したフォード・モーターのCEOの年収が17億円近くになったり、CEOに就任してから株価が下落したにも関わらず200億円以上もの退職金を受け取ったザ・ホーム・デポの例などがあり、枚挙にいとまがない。


役員報酬の決め方、そしてあり方は?

2010年3月に施行された『企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令』により、上場企業で1億円以上の報酬を受け取る役員については、有価証券報告書に役員報酬などを明記することが求められるようになった。合理的な算定基準もなく、ただ単に高額なだけでは批判にさられやすい経営環境になりつつある。

一方で、日本にもプロの経営者が徐々に増えつつある。日産自動車 <7201> のカルロス・ゴーン社長兼CEOといった企業オーナーではない外部から招聘した経営者で、高額な報酬を受け取る者も出てきた。高い報酬に見合った実績を出せる経営者であれば何の問題もないだろう。

どのようにして役員報酬を決めることが理想的なのだろうか。また、どういったあり方が考えられるのだろうか。

役員といえども日々の生活がある。そこで、業績と関係なく一定額をベース部分の報酬として支払い、残りの部分を業績と連動させればいいだろう。また、すべてを単年度ごとや四半期ごとの業績と連動させてしまうと、実際は業績が悪くとも良いようにみせる“会計数字の操作"を行う動機づけが働いてしまう。そこで、単年度ごとの業績と、将来3~5年程度の業績とに連動部分を分けたストックオプションを報酬支給すれば解決できる。さらに運用方法としては、毎期株主総会でストックオプション支給分を決定すれば、株主も納得の報酬体系が構築できる。これはひとつの案でしかないが、根本的な考え方は、いかに自社の業績に役員が貢献するように報酬を決定するかということだ。

たとえ高額な役員報酬であっても、皆が納得できる理由や実績があれば誰も文句は言わないはずだ。(ZUU online 編集部)

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