◎不動産に関連する相続税問題
相続税は人の死亡に基因する財産の移転の際に課される税金です。対象となる財産は現金や預貯金はもちろん、土地や家屋、有価証券、宝石、著作権など経済的に価値のあるもの全てに課せられます。相続の中でも不動産は相続が特に大変だと言われています。理由としては、高額な税金が必要になるにも関わらず現金化が難しいという点でしょう。
場合によっては相続税の支払いが困難になり借り入れを起こしたり、資産を売却しなくてはいけないケースも出てきます。その為、世の中の不動産オーナー様方は様々な方法で相続税対策を講じていらっしゃいます。
具体的には生前贈与を行う、不動産を購入し評価の減額を図る、資産管理会社をつくる等です。
しかし不動産購入による評価減額は後で詳しくご紹介しますが築年数を重ねるごとに効果が薄れていってしまいます。これも不動産オーナー様にとっては悩ましいところです。また、相続に関しては税金の問題だけでなく相続自体が問題になるケースもあります。
不動産は財産の中でも最もトラブルが発生しやすい財産と言われています。高額、価値がわかりにくい、分割しにくい事などが原因のようです。
さらに不動産オーナー業を事業として運営している場合であれば、事業承継や後継者選びなどの課題も無視できないでしょう。
◎賃貸経営の場合に発生する税金負担問題
賃貸経営を行う不動産オーナー様の中には、家賃収入は変わらないか下がっているのに税金負担額が増えるというお悩みを抱えていらっしゃるケースがあります。これは簡単に言うと、減価償却や支払利息の減少から経費が減少し、増加した所得に対しての税金負担が増加しているからです。大体、築15年を過ぎた辺りから急激に減価償却費が少なくなり税金負担額増加に悩まされるケースが多くなります。
先にも触れた通り、相続税対策として賃貸物件建設を検討される不動産オーナー様は多いのですが、節税効果としては建設後初年度が最も効果が高く、その後は年々効果が薄れ税金負担が増えていくというのが賃貸物件建設の現状です。このような問題を解決する為には法人設立の検討など、専門家とよく相談した上での解決策が必要になってくるでしょう。
今回は不動産オーナー業を営む上で留意しておきたい税金問題についてご紹介致しましたが、いかがでしたでしょうか?
不動産オーナー業は不労所得でゆとりのある生活が出来ると思いきや、実際は税金という厄介な問題と上手く付き合う必要があるのが実状です。また、扱う物件によっては大変高額な取引が発生しますので税金に関する知識はもちろん、借金のリスクを背負う覚悟や物件を上手に活用する知識も必要になります。
これらの問題を解決するには、信頼のおける専門家に任せるのもひとつの手段です。税理士や弁護士、不動産管理業者等との上手な連携が出来れば心強いですね。
by 山崎
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