フィリピンの明るい未来
ところで、昨今、フィリピンは生産国として注目されている。下記はフィリピンの直接投資における製造業の受入額となる。
直接投資受入額 - 現地通貨(単位:100万)
年
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2007
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2008
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2009
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2010
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2011
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2012
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2013
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受入額
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214,083
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182,681
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121,816
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196,069
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258,231
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289,544
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274,014
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内製造業
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80,833
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48,357
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86,133
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162,903
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142,918
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169,531
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-
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[出所]JETROウェブサイトより
上記をみるように製造業に対する直接投資額は、世界同時金融恐慌時期以外を抜かし、大きく増加している。
JETROは「2011年~12年にかけて、キャノン、ブラザー工業、エプソン、バンダイなど大手メーカーによる新規投資や拡張投資が行われた。それらの企業の操業や拡張事業が開始され、現地調達拡大の方針が明確化されたことにより、進出を検討するサプライヤー企業が増加している」と2014年頭のレポートに記載しており、筆者も2011年以降、多くの企業、特に中国華南地域、ベトナムからのシフトを検討する中間財・部品メーカーのアテンドをフィリピンで行った。
フィリピンが新たに投資先として見直された背景は、大きく分けて3つ挙げることができる。ひとつは豊富な労働力、2つ目は経済特区のインセンティブ、3つ目は消去法での選定と言える。
労働力について、フィリピンは現在、毎年約2パーセントの人口増が継続しており、国民の平均年齢も23歳と非常に若い。さらに失業率は毎年10%弱と非常に高い状況のため、工場のオペレーターの募集をかければ翌日には多くの応募者が工場前に並ぶといった光景をみることができる。
経済特区のインセンティブは、多くの日系企業が選択しているPEZA(PHILIPPINES ECONOMIC ZONE AUTHORITY)を例に挙げると、一定期間(4~8年)の法人税免除(免除後は総所得税5%)、輸入原料・機械の関税免除、100%独資による進出が可能といった恩恵を享受することができる。
消去法での選定として挙げるメーカーもある。中国の人件費高騰を背景にベトナム、インドネシア、そしてフィリピンを、次の進出先として考えたとき、多くのセットメーカーが投資を検討していることや、比較的人件費が安い点などを総合的に勘案して選択する場合もある。
以上の背景から、2010年以降、多くの日系企業がフィリピン進出を検討した。