■投資対象としての魅力


何度も繰り返すようですが、大切なお金を使って同じ投資をするのなら、当然利回りがいい方がいいに決まっています。
ただし、同じ期間を保有するなら、社債の方がメリットが大きいと言えるでしょう。

1年未満の保有期間であれば、よほどのことが無い限り、会社の倒産などというリスクも起こりえる確率は低いと言えます。


■リスク比較と対策


最後に、どの債券にも共通して言えるリスクについてお話をしましょう。
それぞれが持っているリスクは3つ。信用リスク・価格変動リスク・流動リスクの3種類です。

信用リスクとは、発行体の信用度によって変化してきます。
国や地方自治体が倒産することはありえませんが、一般企業ならば経営が傾いたり、倒産してしまったりする可能性は無きにしもあらずですよね。
地方自治体が財政破綻をしてしまっても、税金からの収入から債券の利息・償還金にあてることはできます。
その点、企業が倒産した場合には、元本・利息ともに支払われない可能性が大きいのです。

価格変動リスクや、流動性リスクにおいては、どの債券も同じだけのリスクを孕んでいると言っても過言ではないでしょう。

売りたい時に買い手が着かず売却できなかったり、債券価格が上昇下落して元本を取り戻せないことは、投資の世界ではままあることです。
ただし、その中でも国債だけは、流動性リスクは比較的高くはありません。

以上のことを踏まえると、一見国債・地方債が投資対象として安定しているように思えますが、利回りも視野に入れれば一概に「魅力的」とは言えないでしょう。
利回りを取るか、安定性を重視するかは個人の価値観や考え方によって変わってくるので、正しい正解というものもないのです。

価格変動リスク・流動性リスクについては、個人の力では回避することができない部分はあるものの、信用リスクは事前に調べておくことができます。
発行体の経済状況などをリサーチすることで、リスクの対策を練ることができるからです。

どうでしたか?
国、自治体、会社の発行する債券の違いを理解いただけたでしょうか。

リスクの話を聞いて不安感を持ってしまった人がいるかもしれませんが、いずれにせよ債券投資は非常に魅力の多い投資対象であることは間違いありません。
自分の資産を正しく運用するために、ぜひこれらの知識を活用してみてください。

BY 高橋:フリーライター

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