政府が対策を発表するも現実は…

トラック業界の現状を打破しようと、厚生労働省と国土交通省とが共同で今年5月「トラックドライバーの人材確保・育成に向けて」を公表した。公表内容は「魅力ある職場づくり」と、「人材確保、人材育成」の2点がポイントとなっている。職場改善のための労働条件改善を求め、人材確保のため女性の活用促進等を勧めるものだ。

この公表内容はあくまでも「こうしたらいい」というものを列挙したもので、具体的な対策方法などは記載が少なく、公表内容を参考として対策を打つは難しい。


対策をとり始める流通大手

トラック業界での人材確保は必要だが労働環境を改善して人材を確保しようといった対策は大手企業では実施可能だろうが、中小企業ではすぐに実行に移すのは難しい。そこで運送依頼会社自身がトラック輸送から鉄道や船舶輸送に物流を分散しようという会社も出始めている。

流通大手のイオン <8267> は2014年に花王 <4452> と共同で、東京・福岡間をトラック輸送から鉄道輸送へ切り替えを開始。物流の効率化だけでなくCO2の排出量も削減される。これにより貨物列車の便数も増え、昨年末の臨時列車は100本以上になるなど効果が出ている。

輸送料金を値上げできれば賃金上昇につなげやすいが、料金を上げるのは理解が得られにくい。トラック運送会社自身の努力だけでも限界に近づきつつある。今後も配送方法を工夫する等して少ない人材での対応が続くが、できるだけ早い課題の解消が求められる。(ZUU online 編集部)

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