また、本制度導入に先立ち、2012年に消費者庁が実施した「食品の機能性評価モデル事業」によると、海外においても機能性がすでに認められており、健康食品市場において市場規模が大きいと評価された成分のうち、一定の効果を期待できる成分として11成分が報告されており、今後これらの成分を豊富に含んだ機能性表示食品の開発が進むことも予測される。
<消費者庁が発表した11 成分>
セレン、n-3系脂肪酸 、ルテイン 、コエンザイムQ10、ヒアルロン酸、ブルーベリー(ビルベリー)エキス 、グルコサミン、分枝鎖アミノ酸(BCAA)、イチョウ葉エキス、ノコギリヤシ、ラクトフェリン
トクホとはなにが違うのか?
機能性表示がトクホと大きく異なるところは、手続きと責任の所在だ。トクホは科学的な根拠に基づいて、メーカーが表示する効果や安全性について国が審査し食糧庁長官の許認可をあたえている。
一方、機能性表示食品は、国の審査や許認可は不要であり、食品メーカーなど事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品である。消費者庁が定めたガイドラインに則って届出をするだけで機能性表示が可能となる。
トクホのように大がかりな調査や研究による時間と費用をかけずに機能表示できるので、大手以外の中小メーカーの参入も見込め、大きな商機と位置づけられている。しかし、この「国の許認可が不要」であるということが、消費者を不安にさせる一因ともなっている。
過剰摂取には注意
消費者が一番気になるのは機能性表示食品の安全性だろう。
加工食品の場合、特定成分を高濃度に濃縮して食品に含有させることが可能である。生鮮品に含まれる量の数百〜数千倍の濃度を一度に摂取することができるようになるのだ。
このことは、特定の栄養素が不足している場合にはプラスに働く。たとえば妊婦は葉酸が不足しがちなため、サプリメントの摂取を励行している場合などがそうだ。