②常に資産とキャッシュフローを見える化すること


私はある金融機関にてプライベートバンカーと言う職に就いているのですが、その仕事上様々な方にお会いしてきました。その経験からですが、自分のストックである資産や負債と、キャッシュフローである収入と支出を把握出来ている人は非常に少ないと感じています。
そして逆に、このお金の流れがきちんと見える化している人は、支出のコントロール力が高いと感じています(特に支出の状況をきちんと自覚する事が重要です)。

昨今は、クレジットカードや電子マネーで等決済をする機会が増えたため、余計に使った気がしないことが多いかもしれません。
(※しかしベストセラー『ユダヤ人大富豪家の教え』の著者の本田健さんはその著書の中で、大富豪がクレジットやデビットカードを使わずにキャッシュで払うことが紹介されています。)

私個人も支出の管理には力を入れているのですが、その様になるきっかけがありました。

まだ働き出す前の大学の4年の春のこと、就職活動も終わり、当時サッカー部に所属していた私は、新歓活動に力をいれていました。サッカー部では優秀な新入生を勧誘出来るかで、チーム力に圧倒的な差が出ます。皆真剣なので身銭を切って新入生に飲み食いをさせることになります。

実は、その月に親から自分が小さい頃から貯めた貯金と、親が少しずつ入金してくれた郵貯の通帳を渡されていました。「来年から社会人になるのだから、もう自分で管理しなさい」と。

大体20万円弱くらいでした。しかし、4月の一ヶ月でその通帳はものの見事に、ほぼ残額ゼロになりました。
あの時は、親への罪悪感で一杯でした。そして、その時ある感覚が芽生えました。
「お金なんて使えば一瞬で無くなってしまうもの」ということ。

その際に、自分が財布の中身を酔っ払って落としたり、誰かに口座を不正使用されたとか色々考えました。
だからこそ、一ヶ月で使ったお金を思い出せる限り全て書き出すということに試みたんです。

新入生達と夕飯を食べに行けば、3000円~5000円程払います。
また、昼飯も一緒に食べることもあるし、そうすると自分の分も含めて日々食費だけに平均で4000円くらい使っていたわけです。
「4000円×30日=12万円」ですからこれだけで半分以上を使っていました。その他、学生にしては大きい金額を手にしたことで、洋服や電話代などの使用も増えていました。
結果として、20万の資金はあっという間に消え去ったわけです。

これが、私がキャッシュフローを常に記録し続けるようになったきっかけです。

では、具体的なやり方を簡単に紹介します。

まず、ほとんどのケースで、3000円~2万円の間の支出が重く圧し掛るはずです。これはその国の物価水準にもよりますが、日本ではこの位の水準の額になるものが足を引っ張る事が多いのです。人によって差はあるものの、もし2万円以上の金額になると、だいたい慎重になることが多くなります。

価格比較サイトで調べてみたり、家族や友人に相談したり、本当に必要かなと考えてみたりするはずです。そのため、使っている意識があるため、自制意識も働きやすく、使いすぎるリスクが回避される可能性が高まります。
一方で、それ以下の金額のものはあまり大きくおし掛かりません。1000円を20日使っても2万円ですからそれ程大きな打撃ではないのです。

傾向として、食費/交際費が出費にしめる割合が高いという方も多いと思います。飲みに行ったらついエスカレートしてしまい、結構な金額になってしまったと言う事は良くありますので。
また、毎月支払う家賃・光熱費・通信費・保険費などが発生しているはずです。他に不定期で美容費、洋服や生活雑貨、旅行費(交通費とは別)、冠婚葬祭、学費なども発生していることでしょう。
尚この中で、月々で固定的に支払うものが忘れがちで、管理も甘くなりがちです。3000円~2万円の間に属するものが多いので感覚がないのですが、通信費も光熱費も保険費用も見直すことが可能なものです。一方で、家賃は家を決める際によく検討していることが多いので、問題になるケースは少なめです。

これらを全ての支出を項目別に書き出してみたり、ウェブサービスなどを活用して見える化してみてください。
それを月間で見た時に、すぐに「これって余分だよな」ってことに気づくはずです。それが、結果として自制意識に繋がります。

この結果、自然と効率的なお金の使い方を考えるようになるはずです。


③健康でストレス耐性のある心身を作ること


ストレスが溜まるといつも以上に飲んだり、食べたりすることが多くなります。そしてストレス発散のためなのか購買全体の欲が急上昇し、普段以上に友人とも遊びにいったりします。
カラオケやクラブ、ドライブやゲームセンター等色々なストレス発散方法があるでしょうが、その結果、平常時の支出水準を大きく上回ることになります。

またストレスは、健康にも影響を与えます。その結果として医療費などの将来的な支出が増加する可能性も高まります。

私の場合、幸い健康に生活出来ており、風邪などもほとんど引かないので、あまり医療費がかかりません。普段から心がけることで、ダイエットの必要もないので、有料制のジムに行ってトレーニングをする事も少ないです。自宅近くを走るとか、少し遠い移動を自転車にしたり、また市営プールに行くなど、安価な価格で健康を維持する事は可能です。会員制のスポーツクラブって結構コストですよね。

実は自分自身は、健康マニアな一面があり、今までに健康関連の本は20冊ほど読みました。それは、無駄な所で余計な時間を取られたく無いというのが根底にあります。
普段から健康な生活をしていれば必要以上に運動をしなくてもそれなりに体型を保つことも出来ます。

このように健康でストレス耐性の高い状態を保つことは、ストレス発散代とも言える食費や遊び代を抑え、かつ医療費やジム代などを下げることに繋がります。