自社株買いは経営の将来性にポジティブサイン
こうした経営層が自腹で自社株を買う動きは、確かに今後の経営による成長と株価上昇に確信をもっているからこそできる行為であることは間違いない。しかも大量保有をした場合、リストで公表されることになるので、経営層が自社株買いをする企業というのは投資の指針として使えるデータということになる。
NYダウでは上場企業の自社株買いは年間100兆円を超える勢いで、実は自社株買いこそが相場をもっとも支えているとさえ言われているのだ。各企業のCEOをはじめとする経営層にとっては、企業から付与される株式の価値を下げないため、つまり自分のために自社株買いをしていると揶揄されても仕方がない動きとなるわけだが、経営層が自己資金を投じて自社株買いをするというのはこれとはまったく意味合いの異なるアクティビティとして注目される。
投資のインジケーターとして有益情報
こうした経営層の自社株買いの情報は、大量購入となれば5%ルールで外部に必ず開示される。キューリグ・グリーンマウンテンでは、株価の下落が続いている中、5月に5人の経営幹部が自社株を購入。最大の買い手はコカ・コーラの元上級幹部ジョゼ・オクラビオ・ライエ氏で、1万5000株を130万ドルで購入している。
シェブロンの取締役で大手銀行ウェルズ・ファーゴのジョン・スタンフCEOは、5月11日にシェブロン株を平均株価108.10ドルで1950万ドル分購入した。
ニューウェル・ラバーメイドでは、5月15日に取締役のレイモンド・ビオー氏が自社株を20万ドル購入したが、米調査会社インサイダー・スコア・ドットコムによれば、これは同社では2008年以来の大量購入となる。
米国証券取引委員会(SEC)はインサイダー(内部関係者)が自社株式を売買したり、ストックオプションの購入権を行使した情報を、10日以内に開示する義務をインサイダーに負わせている。したがってこうした大量購入は個人投資家でも簡単に調べられる有益な投資情報なのだ。
日本では残念ながらこうした動きは出ていないが、米国株式市場での投資を考える場合にはしっかりチェックしておくと、大きな売買の際に確率の高い指針となることは間違いなさそうだ。経営者層のインサイダー情報はSECのサイト、米ヤフーファイナンスなどで簡単にリサーチできるので調べてみるといだろう。(ZUU online 編集部)
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