ビル・グロース,ギリシャ問題,CDS (写真=PIXTA)

6日の東京株式市場は、ギリシャの国民投票の結果が財政緊縮策反対となったことで、リスクオフの展開となっただけでなく、中国株の下落もあり、日経平均株価は、前週末比427円67銭安の20,112円12銭で大引けとなった。

7日の東京株式市場は、ギリシャ債務問題に対する過度な警戒感が薄れたことで、自律反発的な買いが入り、前日比264円47銭高の20,376円59銭で取引を終えた。

8日の東京株式市場は、中国株の暴落が、中国の景気減速だけでなく、世界経済への拡大が意識され、投資家心理が悪化したことで、日本株も連れ安となり、日経平均株価は、前日比638円95銭安の19,737円64銭で大引けとなった。なお、この下げ幅は、今年最大となった。

9日の東京株式市場も、前場は、円高進行と中国株への警戒感から大幅に下落したものの、中国株が上昇したことで、投資家心理が改善し、日経平均株価は、前日比117円86銭高の19,855円50銭で取引を終えた。

10日の東京株式市場は、ユーロ圏財務相会合やEU首脳会議を週末に控えているということもあり、ギリシャ債務問題進展への期待感から買われる展開となったものの、後場に入ると、週末要因やギリシャ問題からリスク回避的な動きが強まり、前日比75円67銭安の19,779円83円で今週の取引を終えた。


今週の株式展望

今週注目される経済指標は、14日(から15日)の日銀金融政策決定会合および黒田総裁会見、米6月小売売上高、15日の中国6月小売売上高、中国6月鉱工業生産、中国4-6月期GDP、17日の米6月住宅着工件数などである。また、15日から16日にイエレンFRB議長が両院公聴会で金融政策報告について証言を行う。

今週の株式市場であるが、市場の関心はギリシャ債務問題から中国株へとシフトしつつあるだろう。しかしそれでも、11日、12日にEU首脳会議やユーロ圏財務相会合が行われ、トゥスクEU大統領が「最終期限」とするこの交渉が決裂すれば、ギリシャは財政破綻から逃れるすべはなくなるため、もし「決裂」という結果になれば、週初は下げて始まるはずだ。

ただ、債権団側もギリシャのユーロ離脱を回避すべく、一定の譲歩があると考えられ、合意の方向で進む可能性が高いと見る。だとすれば、日本株にもポジティブだろう。もっとも、中国株の下落が終了したわけではなく、中国の重要経済指標が多く予定されていることから、再び景気減速懸念が高まり、下落が再開する可能性は十分考えられる。

また、テクニカル面では、週足ベースのボリンジャーバンドは、日経平均株価のローソク足の実体が1σを下回る水準、週足14週のRSIにおいても、50%台と、過熱感はない。以上を考慮すれば、週初はギリシャ債務問題の進展することで買いが入るものの、中国株への警戒感から、上値の重い展開が想定されるため、やや強気から中立程度が妥当と考える。ただし、ギリシャと債権団の交渉決裂や中国の経済指標悪化による景気減速懸念台頭には注意するべきだろう。

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