(写真=PIXTA)
7月に入り、ギリシャや上海株式市場をきっかけとして、世界経済の先行き不透明感から世界的な株安の流れとなった。このような激動の株式市場で、個人投資家や外国人投資家はどのように動いているのだろうか。
投資部門別売買状況をチェックすれば、その動きが分かる
東証1部および2部等の売買金額シェアを見れば、ここ数年、個人投資家のシェア(信用取引含む)が2割から3割、外国人投資家のシェアが6割から7割程度となっている。その一方、金融機関や投資信託、事業法人等のシェアはそれぞれ1割に満たないため、個人及び外国人投資家の動向を把握することが今後の相場動向を考えるうえでいかに重要であるかがわかる。
ちなみに、そうした投資家の動きに関しては、日本取引所グループが公表している投資部門別売買状況から把握することが可能だ。
直近は個人投資家が買い
では、直近の売買動向はどのようになっているのだろうか。6月および7月第1週の個人投資家の売買状況は、信用取引も含めれば、買い越しとなっている。一方、外国人投資家は売り越しとなっている。
つまり、外国人投資家は、ギリシャ問題や中国発の株安から、リスク回避の動きを見せ、ポジション調整を行っていることになる。その売り物を、個人投資家が押し目買いとして買っていたという構図が透けて見えるのである。
アベノミクス以降は、個人売り・外国人投資家買い
しかし、もう少し長いスパン、2012年以降でみると、個人投資家は売り越しが続いてきた。アベノミクスおよび、日銀による異次元の量的金融緩和のスタート時期を考えれば、個人投資家は一貫して、この官製相場による上昇で売り続けているということになる。
2008年のリーマンショック以降、相場の低迷が続き、高値で買って売るに売れず、塩漬けになっていた株が、やっと利食いできる水準まで上昇したことを考えれば、この投資行動は理解できるだろう。そして、この投資行動は依然続くと見られる。
つまり、2013年以降、株価が上昇し続けていたのは、アベノミクスと日銀による量的金融緩和政策によるインフレ期待から、外国人投資家が、個人投資家の売りを吸収するだけでなく、それ以上に買い続けてきたからに他ならない。世界中で金融緩和が行われ、金余り(過剰流動性)となったことで、日本株に資金がなだれ込んだのである。
この2年余りの流れを考えると、今後も外国人投資家の売り越しが続くようなら、日本株の大幅な下落に注意しなければならない。
直近の信用取引などで買った個人投資家は高値掴みをしてしまったのか。それとも、この下落は一時的なもので、良い押し目買いのタイミングとなっていたのか。それらをチェックしつつ、売買状況を確認するのも面白いのではないだろうか。(ZUU online 編集部)
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