(写真=PIXTA)
週初13日の東京市場は、ユーロ圏首脳会議のギリシャ支援協議が続いていたことで、ドル円相場は122円台半ばでもみ合いとなった。しかしながら、海外市場に入ると、トゥスクEU大統領が「全会一致で合意した」との発表を受け、リスクオンの流れから、一時、123円55銭まで上昇した。
14日の東京市場でも、前日の流れを引き継ぎ、123円74銭まで上昇するも、海外市場では、米6月小売売上高が市場予想を下回ったことから、122円91銭まで下落した。もっとも、米国株の上昇と米10年債利回りが下げ止まったことなどから、123円台に値を戻してニューヨーククローズとなった。
15日の東京市場は、中国の4-6月期GDPが市場予想を上回ったこと(6年ぶりに7.0%を割るという悲観的な見方が大勢だった)でリスクオンとなり、ドル円相場は123円台後半まで上昇した。
海外市場に入ると、イエレンFRB議長の議会証言を控え、ポジション調整的な動きから123円台前半まで下落したものの、イエレン議長の発言内容がタカ派であったことから、再び、円売りドル買いの流れとなり、一時、123円98銭まで上昇した。
16日の東京市場は、ギリシャが財政改革法案を賛成多数で可決したとの報道があったものの、123円台後半での推移が中心だった。海外市場に入ると、米新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったことから、124円19銭まで上昇した。また、イエレン議長の発言は前日と大きな変化はなかったため、あまり材料視されなかった。
17日の東京市場は、3連休を控えていることで流動性が低下しており、124円台前半で小動きとなった。そして、海外市場でも、この傾向は継続した。フィッシャーFRB副議長が「米経済は目に見えて力強い」と述べるなど、ポジティブな材料もあったものの、相場への影響は限定的だった。
今週の為替展望
今週注目される経済指標は、21日の6月全国百貨店売上高、22日の6月訪日外国人数、米6月中古住宅販売、23日の6月貿易統計、24日の米6月新築住宅販売などである。
先週の外国為替市場は、ギリシャ債務問題が一旦解決し、中国株も下げ止まったことで警戒感は和らいだ。よって、今後は実体経済の動向が相場変動のカギを握るはずだ。
その点では、イエレン議長の議会証言は、改めて、年内利上げが適切であると発言し、雇用や経済全般で見通しは明るいと述べた。だとすれば、9月ないしは12月の利上げは既定路線であり、ドル円相場にとってはポジティブな材料である。
しかしながら、現状の水準では、引き続き、黒田ライン(125円)が意識されることから、あまり強気になりすぎるべきではないだろう。
また、テクニカル面は、週足ベースのボリンジャーバンド(期間20週)のドル円のローソク足は、1σ上にあり、週足14週のRSIにおいては60%台と、やや過熱感が出始めている状況である。
以上を考慮すれば、中長期的な視点では、日米金利差の拡大から、円売りドル買いの流れが想定されるものの、短期的には黒田ラインやテクニカル面の過熱感も意識されることから、弱気で考えるのが妥当だろう。そして、中国株下落による、リスクオフの流れにも、今まで同様、注意すべきである。(ZUU online 編集部)
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