【アナリストレポート内の「業績動向」の内容】

そこで、 アナリストレポートの業績動向を読むことをお勧めします

例えばA社のアナリストレポートでは、投資判断は「買い」でした。 2015年度までの売上・営業利益・純利益がグラフで記載されており、概ね順調に上昇すると予想 しているようです。また、第一四半期の業績の評価も書かれています。今回は増収・増益でしたので、クックパッドの事業が好調だった理由について、消費者目線のサービスと、プレミアムサービス(有料)の入会者数の増加を挙げています。今後はヤフーとの提携によって、ますます有料会員は増加すると見ています。

また、B社のアナリストレポートでは「強気」で、A社と同じく第一四半期の業績の評価や、業績予想を開示していない理由について触れられています。増益の理由についてはプレミアムサービス入会者数と広告収入の拡大を挙げており、開示しないのは今後に影響を与える未確定要素が多いからだそうです。

ちなみにクックパッドの株価(2012.10.8現在)はこのようになっています。

(yohoo!ファイナンスより)

これは決して、レポートとの因果関係を示唆している訳では無いのですが、A社は2012.9.21、B社は2012.9.27発行で、いずれも発行の5日後ごろに株価が上昇しています。
(尚、ちなみにですが、アナリストレポートの影響で株価が大きく動くのはレーティングの変更時と言われています。)


【アナリストレポートを見る時に気をつけたい事】

個々のアナリスト予想には今回と異なり大きな振れ幅が存在することも多く、また将来予測に当たり外れは必ずあるので、 1つの情報に固執しない姿勢はもちろん大切 です。また、会社情報より客観的な面はあるものの、レポートの発行元が証券会社などセルサイドという立場の場合、ほとんどのレーティングが買いとなっていたり、株価が目標株価に近づくと目標株価が引き上げられる傾向がある事への注意も必要です。

しかし、単独のアナリストの分析が必ず的中する訳では無いと言うことを踏まえた上で、アナリストレポートの業績動向を見る事で、 株価に多大な影響を持つ決算内容について、自分の判断に加えて複数の専門家の意見を反映させて吟味する事が可能 です。

次回以降、レポート入手方法や発行元の違いによる特徴の違い、アナリストレポート以外にも重要な情報入手方法である【コンセンサス予想】などについて解説をしていく予定です。

BY R.I

※具体例にクックパッドを使用しましたが、これはクックパッドへの投資を促す目的ではありません。また、複数のアナリストレポートのレーティングが良いからと言って、今回のように株価が上昇するとは限りません。