STUDIOUSが上場
(写真=PIXTA)

ブランド商品の販売やオリジナルブランドの運営を行う小売業のSTUDIOUS <3415> が、2015年9月2日に東証マザーズへ新規上場することが決定した。


STUDIOUSのビジネス概要

STUDIOUSは、2008年に設立された比較的新しい会社で、「STUDIOUS」と「UNITED TOKYO」の2ラインのセレクトショップを展開している。「日本発を世界へ」、このコンセプトが同社の差別化の根源になっている。

同社はMADE IN JAPANへの強いこだわりを持っており、日本製の生地を使用して日本で縫製を行っている。そのため、クオリティは高くなるが、1着当たりの価格は同業と比較して高価格になる。

通常、ファッション業界では、旬が過ぎた商品は売れなくなるため、売れ残った場合は値引きをして売ることを想定する。そのため、アパレルメーカーは元々の原価率を下げて製造を行うことで、売れ残った場合でも利益が生まれるようにしているのだ。

通常のアパレルメーカーの原価率が25〜30%ほどなのに対して、「UNITED TOKYO」の原価率は45~50%とのことだ( 会社HP調べ )。つまり、売り場に同じ値段の洋服がおかれていた場合、「UNITED TOKYO」はより高コストの洋服を販売していることになる。

同社の場合、この高い原価率でも利益を出せている秘密が「営業力」にある。つまり、ファッションの流行を捉えたクオリティの高い洋服を、旬が過ぎ去る前に売り切ることに優れているのだ。この「売り切る営業力」を持っているからこそ、在庫コストや売れ残りリスクを最小限にすることで、その分のコストを製造原価にまわして、高いクオリティを誇る洋服を製造することができている。

もちろん、トレンドを押さえた洋服作りや自社で製造する洋服のデザインに自信を持っているからこそできることであろう。


STUDIOUSの上場後の戦略

STUDIOUSは、今回の上場で得た資金を新規出店への設備投資に使うとしている。代表取締役の谷 正人氏は自身のブログで、「私は上場をとおして、日本のアパレルの社会的地位向上をさせ、世界に発進していきたいと創業時から思っておりました」と述べている。

今回の上場による資金調達は、その創業時の思いを飛躍的に加速させるものであり、将来的には世界展開も視野に入れていると考えられる。

同社の経営状態については、売上高が右肩上がりで伸び続けており安定性がみられる。2015年2月期では、前期の約1.45倍となる4,470百万円を売り上げ、385百万円の当期純利益(前期比約1.26倍)を計上している。2011年2月期と比べると、売上高は約6.9倍、当期純利益は約19.3倍に成長している。


STUDIOUSのIPO(新規上場)情報

STUDIOUSのブックビルディング期間(公募価格を決定するために投資家の需要状況を把握するための期間)は、8月18日~24日となっており、公募価格は25日に決定する。当選した場合は、翌26日から31日までの間に購入申し込みが必要となる。

今回のSTUDIOUS上場の主幹事証券会社はSMBC日興証券だ。幹事証券会社としては、SBI証券、みずほ証券、マネックス証券が名を連ねている。また、上場規模は、60億円程度とのことで比較的小さめといえる。IPO抽選で当選する株式数の合計は384,100株(単元株100株)となっており、当選できる口数は3,841口だ。この当選本数はそれほど多くはない。

例えば、同じくマザーズの中では大規模な上場に当たるメタップス <6172> は8月28日に上場を予定しているが、当選口数は30,030口となっている。STUDIOUSと比べると、当選口数は8倍弱である。

IPO投資は、利益を上げられる可能性が高い投資法だ。そもそも抽選に当たらないと上場前に投資できないことから、上場直後には抽選に外れた人が購入しよう考え、買い圧力が高まるケースが多い。IPO銘柄の多くは将来の高い成長性が期待されているため、事前売り出しの価格よりも高くなっても購入したいと考える人が多くいるからだ。

実際、2014年度の実績を見てみると、IPO銘柄の抽選に参加して当選し初値で売却するだけでも、7割以上の銘柄で利益が出せる計算になる。抽選の倍率が高くなるケースでは、初値が高くなりやすいことから、IPO投資には期待が持てる銘柄とも言えるだろう。


STUDIOUS株の抽選確率を上げるには?

少しでも当選確率を上げるためには、投資したい銘柄が割り当てられている複数の証券会社に申し込みを行うことがポイントだ。普段からIPO銘柄の取扱数が多い証券会社に口座を保有しておくと、IPO銘柄への投資がスムーズに行える。

今回であれば、主幹事のSMBC日興証券はもちろん、完全平等抽選制のマネックス証券や、抽選に外れると次回以降の当選確率を上げるための「IPOチャレンジポイント制度」があるSBI証券でも抽選に参加してみてはどうだろうか。

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