先週発表された主な経済指標
◆雇用統計
7日に発表された7月分の米国雇用統計は米国労働市場が堅調な回復を続けていることを示唆する内容でした。非農業部門雇用者数は前月差21.5万人増と市場予想の22.5万人増を下回って前月から伸びが鈍化したものの、堅調な回復の目安とされる20万人を上回り、さらに6月分は22.3万人増から23.1万人増へ、5月分は25.4万人増から26.0万人増にそれぞれ修正されました。
労働者の平均賃金は前年比2.1%の上昇と前月の2.0%の上昇から改善したものの、市場予想の2.3%は下回りました。概してみると、堅調な内容だったものの9月利上げを確実視させるほどの強いものではなかったようです。
今後発表される主な経済指標
◆7月 小売売上高(前月比) 市場予想 +0.6% 前月 -0.3%
13日に7月分の小売売上高が発表されます。6月分は前月比マイナスでネガティブ・サプライズとなっただけに、7月分で回復が見られるかが注目されます。市場予想では前月比0.6%の増加と堅調な内容になると予測されています。
マーケットビュー
◆弱い推移続くも米国株は長期的に買える局面との見方を維持
先週のマーケットビューでは、企業収益の改善などを背景に、米国株は長期的に買える水準であるとの見方をお示ししました。ただ、結果的にダウ平均が週間で300ドル超下落するなど米国株は冴えない値動きとなりました。
先週発表された主な経済指標のうち、新車販売台数(年率換算1755万台)、ISM非製造業景況感指数(56→60.3)、雇用統計などが堅調で、ISM製造業景況感指数はやや軟調でした。中でもISM非製造業指数の強さは圧巻で、約10年ぶりの高水準を記録しました。
引き続き米国経済は良好であり、利上げという目先の重石はあるものの、中長期的に見て買っていける水準にあるとの考えを維持しています。
益嶋裕
マネックス証券
フィナンシャル・インテリジェンス部
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