8月24日の日経平均株価の終値は1万8540円68銭となり、下げ幅895円15銭の大暴落となった。
また、24日のニューヨーク外国為替市場の円相場は、世界的な株安を警戒しドル売りが加速。117円を割り込み、22時11分(日本時間)ごろに1ドル=116円15銭まで下落した。
ダウ工業株30種平均は、前週末比で一時1000ドルを超えた。一日の下げ幅としては過去最大の下落幅、2014年2月以来1万6000ドルをきった。その後はダウ平均は279ドル安まで下げ幅を縮小している。
なぜこのような暴落が発生したのか、今後どのように動くのかを考えていきたいと思う。
原因のひとつは米国要因
この大暴落の原因のひとつは、連邦準備制度理事会(FRB)による利上げが年内に行われる可能性が高いからである。そして、利上げは、「金融引き締め」のため米国株安につながる。通常、多くの企業は銀行より融資を受けて事業を行っているため、政策金利が上昇し、銀行の貸出金利が上昇すれば、企業業績は悪化する。
そして、米国企業業績の悪化や米国経済の悪化は、日本株安にもつながる。米国は、日本の貿易相手国として中国と並んでトップクラスであるため、対米国輸出が落ち込めば、必然的に日本企業業績も悪化し、日本株安となるのである。
さらに、米国はリーマンショック以降、QEと呼ばれる量的金融緩和で余った資金が株式市場に向かっていたこともあり、その反動は大きいと考えられる。
最も大きな要因は中国
しかし、利上げが行われれば、日米金利差の拡大から円安が加速し、日本株にとって追い風となる可能性もあり得る。
米国利上げが日本株暴落のメインの要因とは考えにくい。何より、今回の相場では、米長期金利は低下しているのだ。だとすれば、今回の暴落の引き金となったのは、中国と言える。
中国人民元の切下げや経済指標の悪化から、世界的な景気減速への警戒感が強まり暴落したと考えらえられる。中国経済が減速することで、中国の輸入が減少し、世界景気減速につながるというものだ。
それは、中国の輸入はその大半が資源関連であり、中国の景気減速懸念が台頭して以降、資源国の通貨や原油価格などが下落していることからも明らかだろう。さらに、天津で発生した爆発事故などの突発的な要因も暴落の引き金となったのである。
今後の見通しは?
日経平均株価の予想PERは15倍程度と、すでに割高とはいえない水準まで下落しており、押し目買いも期待される。しかしながら、中国の景気減速は、日本企業の業績へも与えるインパクトが大きいため、業績予想を下回る可能性も大いに考えられる。今後も下落基調は続く可能性が高いはずだ。
そして、このトレンドを変化させるには、中国当局による景気刺激策が必要だろう。また、FRBによる利上げ時期後退とそのアナウンスも効果的と考えられる。まずは、今後の中国当局の動きと、9月のFOMCに注目していくべきだろう。(ZUU online 編集部)
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