(写真=ZUU online編集部)

今年もハロウィンの季節がやってきた。ここ数年で、日本でも季節イベントとしてのハロウィンが定着、早ければ9月上旬から店頭ディスプレーにオレンジ色のカボチャや白いおばけの販促物が飾られるようになった。街並みの飾りや、お菓子をはじめとするハロウィン関連商品の発売、テーマパークでのイベント開催で徐々に盛り上がりを見せながら、10月31日に各所で仮装パーティーが催されて熱気は頂点を迎える。渋谷や六本木に出没するコスプレイヤーの姿は、今や秋の風物詩と言える。


「日本版ハロウィン」発祥は東京ディズニーランド?

あくまでも海外の季節イベントとして認識されていたハロウィン。子供たちが可愛らしい仮装をして、近所の家々を訪ねてお菓子をねだる姿が、映画や海外ドラマのワンシーンとして浸透していた。しかしながら、ハロウィンは日本において「大人のイベント」へと変容し、特に20代男女が好意的に受容した。

お菓子が欲しいわけではない。日本版ハロウィンの特徴は仮装による「非日常」の共有にある。

その発祥は諸説あるなか、オリエンタルランド <4661> が1997年に開始した東京ディズニーランドのイベント「ディズニー・ハッピー・ハロウィーン」にあるとの説が有力だ。この年の10月31日、ハロウィン用に仮装したゲストが初めて園内に集まった。それ以降、仮装ゲストとディズニーキャラクターのパレードへと発展して、ゲストの仮装も趣向を凝らしたものになっていった(2015年「ディズニー・ハロウィーン」の開催期間は9月8日から11月1日)。

同じく1997年、神奈川県川崎市でもハロウィンのイベントが始まった。「カワサキ ハロウィン」、通称「カワハロ」だ。当初から仮装パレードが趣旨であり、年を追うごとに参加者が増えて規模が拡大。今では10万人規模とも言われ、仮装パレードをはじめ写真コンテスト、映画祭など街をあげての一大イベントになっている(2015年の開催期間は10月1日から31日。パレードは10月25日開催)。


期間限定の関連商品とレシピサイトが盛況

これらの仮装イベントを通じてハロウィン愛好者が増えていった。そしてイベント開催地にこだわらず、思い思いにハロウィンを楽しむ人が激増しているのが、ここ数年の話である。

日本記念日協会の発表によると、国内のハロウィン市場規模は1000億円を超え、2月のバレンタインデーと比肩するイベントとして急成長しているという。富士経済の調査ではチョコレート、生菓子、クッキー、半生焼菓子の専門商品ならびに専門メニューの売上(10月25日から31日)は100億円を超える(2014年)。スナック菓子や米菓でもハロウィン商品が登場している。

この時期に合わせた料理を楽しもうと意気込む家庭も多いようだ。クックパッド <2193> にはハロウィン関連のレシピが5300以上も公開されている。定番のかぼちゃスープ、プリン、クッキーだけではなく凝ったキャラ弁の作り方もあり、ハロウィン関連のページ上では投稿者と食品メーカーが交流する料理の企画が楽しげな盛り上がりを見せている。

仮装も料理も、ハロウィン期間に楽しめる「非日常」の体験だ。日本版ハロウィンは、ある秋の一日に仮装をして集まったり、テーマに沿った特別な料理を作ったりという非日常体験を、たっぷりと楽しめる。