(写真=ZUU online 編集部)
客引き行為禁止条例が全国各地で発令
日本で随一の繁華街として知られる歌舞伎町を有する東京・新宿区の「客引き行為禁止条例」が2013年9月の施行から2年たった。
繁華街ではおなじみの客引き行為。黒服が無理やり客を引っ張りこむといった半ば強引なやり方も行われていたが、条例の規制のおかげで随分と見かけなくなったようだ。「客引き禁止条例」以前も、風俗営業店での客引きにおいて「迷惑防止条例」に基づき罰せられるパターンはあったが、新しい条例は風俗業など特定の業態に限らず、かつ悪質か否かも関係なく全ての客引きが違反行為とみなされる。
商店街の巡回かいくぐるキャッチ 不動産店舗の違法看板など新たな問題も
条例が適用されてから2年経過した現在、新宿の繁華街には何か変化はあっただろうか。歌舞伎町商店街振興組合の城克事務局長は、「客引き行為は減少した」という。条例が発令されてからは各商店街がパトロール体制を充実させ、多いところでは毎日、少なくとも週に1度は商店街のメンバーでパトロールを行っている。また財政的に余裕のある商店街は警察OBを採用し、パトロールを強化しているところもあるという。
しかし効果があったのは居酒屋の客引きに限ってのことだ。
カラオケ店の客引きは歌舞伎町でのトラブルは減少しているものの、他のエリアでは客引き同士の揉め事が後を絶たない。また悪質な店舗は相変わらず巡回をかいくぐってキャッチを続けているうえ、客引きが減少すると、その代わりに不動産関係の店舗が道路上に違法な看板を出し、通行の妨げになっているところもあるのだ。
挙句の果てには客引き専門の業者が現れ、一部の居酒屋と契約し歌舞伎町を中心に巧みな客引きで荒稼ぎをしているという。特にチェーン展開している居酒屋は不良青年たちと一緒になって客引きをするという極めて悪質なやり方が目に余るため、商店街では法令遵守の通知を出す手筈を整えているところだ。