チョコバー
(写真=Thinkstock/Getty Images)

チョコレートの消費量は欧州首位。1人あたりの年間消費量は11.2kg(マーズバー224本相当)という英国では、成人、子供を問わずに肥満が深刻化している。苦肉の対策として「砂糖消費税」や「脂肪分消費税」の導入が以前から繰り返し提案されていたが、キャメロン首相からは却下の姿勢を崩す気配が感じられない。

しかし英公衆衛生研究機関、パブリックヘルス・イングランド(PHE)が10月22日、「英国における肥満問題」の最新レポートを公表した結果、国民の健康を懸念する医療機関や労働党などとキャメロン首相の間で摩擦が生じ始めている。


糖分の高い食料品に最高20%の課税を提案-PHE

PHEは48ページにわたるレポートの中で、英国における過剰な砂糖消費量を指摘。成人の25%、4~5歳の10%、10~11歳の19%が肥満の部類に入ると具体的な数字を示したうえで、「加糖ジュースなど糖分の高い食料品を最高20%の課税対象にする」といった対策法を提案している。

また消費者の食欲をいたずらに刺激するような「2for1(1個買ったら1個無料)」といった小売店などの特価や、糖分の高い子供向けの商品の宣伝を制限するほか、製造過程で砂糖の量を減らすことなども推奨。キャメロン首相に事態の深刻さを訴えかけた。


「砂糖消費税は物価を引き上げるだけ」とキャメロン首相

しかしキャメロン首相のスポークスマンは「砂糖消費税導入よりも効果のある対策がある」として、提案を検討する素振りすら見せず、「砂糖消費税は無駄に物価を引き上げるだけだ」と保守党が労働者側に立っていることをさり気なくアピール。新しい子供の肥満防止対策が来年発表されることを付け加えたが、具体的な内容は明かしていない。

あまりにも頑ななキャメロン首相の拒絶には、「実際は調査結果にすら目を通していない」と一部から非難の声があがっている。


砂糖消費税の代わりに健康的な食品の値下げを

英国ではここ数年、国をあげての「Healthy Eating(健康的な食生活)」キャンペーンが盛んだが、いまだ英国民保健サービスがカバーする肥満関連の治療費は年間50億ポンド(約9301億3778万円)を下回らず、世界保健機構(WHO)は「2030年までには英国男性の74%、女性の64%が肥満の部類に入る」とレポートしている。

こうした背景には「英国における急激な物価の上昇」という問題が潜んでいるのかも知れない。数ヶ月ごとにスーパーの値札が切り上げられる英国では、健康的な食料品が一種の贅沢品として受け止められている節があり、「庶民は必然的に比較的価格が手頃なジャンクフードに流れざるを得ない」という感はぬぐえない。

砂糖消費税の導入を訴えかける代わりに、健康的な食品の価格を引き下げるような働きかけがあれば、何らかの新しい変化が見られるのではないだろうか。(ZUU online 編集部)

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