現金よりも不動産の方が「お得」である理由
1億円の現金と1億円かけて購入した不動産とではどちらがお得なのでしょうか。相続という観点で見ると圧倒的に後者が有利です。これが「相続は不動産で考えるべき」と言われる所以です。
大きな要因として、相続税を計算するときに建物は建築費用ではなく「固定資産税評価額」で評価をされるということが挙げられます。固定資産税評価額とは、市町村の税務課(東京都23区では都税事務所)にある固定資産課税台帳に登録してある土地や建物の評価額のことです。固定資産税評価額は、次のような税金を計算するときに使います。
(a) 固定資産税や都市計画税の税額
(b) 不動産取得税や登録免許税の税額
(c) 相続税や贈与税を計算するときの土地や建物の評価額
固定資産税評価額は国が定めた「固定資産評価基準」に基づいて市町村が決定します。一般的に評価額は土地については公示価格の80%、建物については建築費の50~70%ぐらいだとされていますが、現実の評価はこの割合以下のことが多いです。
自宅は誰の名義にしたらよいか?
ちなみに自宅を建てる場合に、誰の名義にすればいいかというご相談を多くの方から頂きます。住む方の状況にもよりますが、相続税の節税という点から考えると、「親の現金」で「親名義で建てる」ことが節税になります。
二世帯住宅を建てる際などは、ローンは子どもの方が借りやすいからなどという理由で親の土地に子ども名義で建ててしまうこともありますが、これでは親の財産が減らず、相続時の節税になりません。親の現金を使うことに抵抗があるかもしれませんが、節税という視点で見ると、親の現金の余裕がある場合は、親の現金を使って自宅を建てた方がよいでしょう。
曽根 恵子(そね・けいこ)
「相続コーディネート実務士」の創始者として1万3000件の相続相談に対処。株式会社夢相続の代表取締役として、感情面に配慮した“オーダーメード相続”を提案。相続プランによって「家族の絆が深まる相続の実現」をサポートしている。相続コーディネート協会代表理事。公認不動産コンサルティングマスター相続対策専門士。不動産有効活用専門士。
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