比較検討しよう
株価収益率(PER)は、利益が大きく変動する企業に対しては、信頼度が低くなります。毎年黒字を計上していて業績が安定しているような企業ではないと、株価収益率(PER)による適切な評価が難しくなります。
一般的に、株価収益率(PER)の水準が、20倍より低ければ割安、20倍より高ければ割高であると言われていますが、あまり信用しすぎると危険です。そのため基本的には、同業他社と比べてください。他の業界の指標と比べても意味がありません。
今回は同業他社と比較はしておりませんが、一般的なPERの指標(20倍を目安)と比較するとオリエンタルランドの予想PERは31.60倍、実績PERは34.48倍であり、どちらを見ても、一般的には割高であることが分かります。しかし、なぜ割高なのかと考えると、おのずと答えが出ます。
オリエンタルランドはお客様を大切にもてなし、お客様を喜ばせるサービスに定評があります。そのため投資家も魅力を感じこぞって株式を買うため株価も上がるのです。物の需要と供給の仕組みとして、欲しい人が沢山いれば物の値段は上がります。株価が上がれば自然に株価収益率も何倍にも上がるという訳です。
割高の株式にはきちんとした理由があります。割安の株式にも理由があります。割安の株式は人気がありません。つまり投資家が買わないため、株価収益率(PER)が低いのです。
ただし、PERが割安の企業の株式が全て悪い株式ということではありません。そして、PERだけで投資の判断をしてはなりません。様々な指標を一緒に調べるとともに会社の姿勢なども見ていかなければなりません。
良い企業の株が割安になった時を狙ったり、良い企業だけれどもまだ他の投資家の皆様に発掘されていない割安な企業を見つけたりすることも株式の醍醐味ではないでしょうか?
また、株価収益率(PER)は指標が高いほど割高であり、低いほど割安とお伝えしておりましたが、株価収益率(PER)が非表示の会社を見かけることがあるかと思います。非表示になるほど低いのか…と思ったら大間違いです。実は当期純利益が無いため計算ができないのです。つまり、赤字になれば、株価収益率(PER)自体が計算出来ないのです。今度、注意して見てみてくださいね。
イメージ図を、実際の企業で試してみましたが、いかがでしたか?株価収益率って、意外と簡単だと思えてまいりませんか?まずは、様々な企業の株価収益率を見て、沢山イメージして株価収益率(PER)を攻略してみてくださいね。
伊藤美恵(いとう・みえ)
ファイナンシャル・プランナー。AFP、その他FP資格、証券外務員一種資格、住宅ローンアドバイザー、DCマイスター。FPオフィスMie/代表 会社URL http://ameblo.jp/fp-mie/
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