日本の生命保険業績動向
(写真=PIXTA)


バブル前夜から現在までに生まれた会社、消えた会社

生命保険会社では、毎年5月に年度末決算の発表を行なっている。筆者は現在、それを見て各年度の生命保険業界の業績関係の動きを振り返る作業をしている。(毎年の「基礎研レポート20xx年生保決算の概要」をご参照。最近は「生保」というと、「生活保護」のほうを想像する人のほうが多いかもしれないが。)

しかし当然のことながら、毎年の業績を見ていても、変化は少しずつしか感じられず、それが一時的なものなのか、大きな流れの中にあるのかということは、なかなかわからない。そこでもう少し長い期間を、一挙に眺めてみたらどうだろうか。

「長期間」というのもいろいろ考え方はあろうが、例えば戦前までさかのぼって業績をみても、特殊な話題でない限りは、今日への影響はなさそうである。今日までにつながる変化が始まった頃から、となると、日本経済がバブル期に向かう頃から、という見方があるのではなかろうか。

というわけで、1985年頃からの約30年の動きを、今後何回かで追ってみることにしたい。特に業績や収支動向を中心に見ていくつもりだが、保険業法の改正や会計基準の変更などもその背景にあったりするので、同時にそういった動きにも触れることになりそうだ。また当然、生命保険会社のディスクロージャー項目は充実してきているので、昔のデータはない、という困った事象もありそうだ。

業績や収支状況に入るまえに、今回は生命保険会社の数の変遷を、ざっとみてみる。生命保険会社の数といっても、年度途中での破綻もあれば、合併もあるので、初っ端から、その定義には少々悩むのであるが、今後決算情報をみていくことを考慮して、ここでは各年度末決算発表時の会社の数とした。

今後収支状況や資産構成の変遷をみるつもりでいるが、そうした場合はますます混乱する場面もでてきそうだが、30年程度の長期のトレンドに着目する主旨から、細かいことは気にしないことにする。

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