11月22日、品川インターシティホールにて、マネーフォワード主催の「お金のEXPO 2015」が開催された。今回はその中から、「どうなる2016年!国内外からみた市場・相場の展望」と題した三菱UFJ国際投信・秦敏章氏の講演をお届けする。
2016年のマーケット環境はどうなる?
2016年にかけて2つの理由から投資環境は良好になる。秦氏は、「ひとつ目の理由に世界経済が着実に拡大している点、ふたつ目に、世界の中央銀行による金融緩和を背景とした金余りという良好な投資環境が続き、リスク性資産にお金が流れやすい状況にある。日米欧豪の全てが、今年よりも経済成長率が上昇すると見込まれており、経済が成長するということは、相対として企業が利益を上げやすい環境である」と見解を述べた。
①世界経済が拡大「GDP成長率が今年よりも上昇」
IMF(国際通貨基金)が発表しているGDP(経済規模をはかる指標と解説)成長率予想は、世界全体で2015年は3.1%、2016年は3.6%とされている。また、先進国でも2015年は2.0%、2016年で2.2%とされている。つまり、今年よりも経済成長率が上昇するとされている。
②2016年も金融緩和による世界的な金余り状況は継続
「リーマン・ショック後、先進国の株価推移は2010年を底に、基本的には右肩あがりの大きな上昇トレンドを継続してきている。今夏に中国ショックがあったものの、今後もこの上昇トレンドは継続するだろう」と秦氏は語った。
また、「中央銀行が量的金融緩和により通貨供給量を増やしており、中央銀行のバランスシートが大きくなっている。米国は、昨年から量的緩和を終了しているが、日・欧の中央銀行は、追加緩和を来年も続けるとされるため、通貨供給量は今後も増えていくだろう。特に、欧州は12月3日のECB会合で金融緩和の拡大を発表する可能性が高い」と述べた。