ブルームバーグエコノミスト・増島

(写真=ZUU online編集部)

2015年もテロや戦争などで騒がしかった。その余波は経済や市場にもさまざまな形で現れ、国際関係や政治の動きに一喜一憂してきたきらいがないわけではない。フランス・パリでのテロが象徴的で、バタクラン劇場などで爆破、銃乱射事件に発展したことも記憶に新しく、あちこちでその影響が危ぶまれた。

その中でも市場を揺るがしたのは今年夏の「中国株式市場の暴落」だ。「世界金融危機以来、最大」と言われたように巨大な衝撃を与えたもので、上海総合指数が一気に8%以上も下落し、中国に投資している投資家を混乱の渦に巻き込んだ。

中国にとって主要な輸入元であるだけでなく、日本の主要輸出先であるだけに、国内投資家への心理的影響も大きかったと言えそうだが、そのような2015年をエコノミストらはどう振り返ったのか。今回は、ブルームバーグの増島氏の見方を紹介する。

「中国経済の減速」そのものの「今さら感」

増島雄樹氏は今年からブルームバーグインテリジェンスのエコノミストだが、一昨年からすでに中国経済には悲観的だったという。2015年の株式市場の暴落その象徴だったと言えそうだ。

株式市場の暴落に対し、中国政府は売買の停止や、大規模な金融緩和を矢継ぎ早に繰り出すなど、なりふり構わず事態の収拾に努めた。同対策について増島氏は「あのペースで株価が上昇するとは思っていなかったが、どこで減速するのか疑問に思っていた」と語る。

中国では実際に、2014年後半から金融緩和をグイグイと引っ張ってきて、株価が急激に上昇してきていた。同じペースでの株価上昇の可能性は低いと受け止めていたものの、増島氏は「予想外だったのは、事前に政府がものすごい早いペースで金融緩和していたことで、ハードデータに出てこない悪条件があったのではないかと受け止めていた」と話す。

もともと広く懸念されていた中国経済の減速だが、増島氏の見方を援用すれば、中国の株式市場の過熱はそもそもムリ筋だったということも出来よう。だとすれば、中国経済の急ブレーキや中国株式市場の崩落は「今さら感」があったかもしれない。

焦点は世界経済への中国経済の減速影響

それでも無視できないのが中国経済だ。世界経済への影響はさることながら、マーケットそのものへの影響も大きく、軽んじることはまったくできない。増島氏もその点を指摘する。

特に、同氏は資源価格に言及。もともと中国が資源の大きな買い手だったが、「それがぽかんと空くと、資源価格にもものすごく影響する」と同氏。新興国が先進国経済もひっぱってきたので影響があるだけではなく、同氏は韓国はその成長を上手くつかんでいたが失速してしまったとも解説した。

他方で、企業収益の伸びは、予想外だったという。同氏によれば、中国など外需の鈍化があったことを鑑みれば、日系企業の今年の収益伸長は予想を上回ったという。設備投資の出方はほぼ予想通りだったが、企業の値付けが収益重視になってきたことから、実質GDPでは伸びていないものの、GNIが伸びてきている。増島氏は「いい意味で予想が裏切られた」とした。 (ZUU online 編集部)

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