金融制度改革——貧困地域の金融サービスの強化などを推進

金融改革制度は「金融機関」「金融市場」「金融監督管理」を推進する。「金融機関」の改革は、①民間資本の銀行業参入を拡大する、②中小・零細企業、農村とりわけ貧困地域への金融サービスの強化に力を入れる……というものだ。また、「金融市場」については公開・透明で、健全に発展する資本市場を育成し、株式・債券の発行・取引制度の改革を推進し、直接金融のウエイトを高め、レバレッジ率を引き下げる。インターネット金融を秩序正しく発展させる。

「金融監督管理」については、中央銀行、銀行業監督管理委員会、証券監督管理委員会、保険監督管理委員会の4者による監督管理体制の整理統合を実現する。このことは、習近平総書記が党5中全会に対する「建議」の説明で言及している。


国有企業改革——3つのテーマを軸に改革を進める

国有企業改革については3つのテーマがある。第1のテーマは「現代的な企業制度の整備」である。具体的には財産権が明確で、権限責任が明確で、政府と企業が分離し、管理が科学的な、会社の健全なガバナンス構造を作り上げる。同時に民間企業を国有企業に資本参加させ、国有資本による投資プロジェクトに民間資本を参加させる。

第2のテーマは「資本管理を主とした国有企業管理」だ。国有資産出資者(政府)による監督管理の境界をはっきりさせ、監督管理の権限リストと責任リストを作り、「企業管理を主」から「資産管理を主」へと転換する。

第3のテーマは「国有資本の配置の戦略的調整」である。国有資本を、国家の安全・国民経済の命脈に関わる重要業種・重要分野に集中させ、国有企業を優良化・強大化する。市場競争による優勝劣敗により、収益の低い国有企業の健全な退出メカニズムを確立する。


規制改革——「行政の簡素化・権限の下方委譲」等に取り組む

最後に規制改革であるが、こちらも3つのテーマがある。第1のテーマは「行政の簡素化・権限の下方委譲」である。具体的には行政審査・許認可事項を引き続き取り消し、下方委譲する。同時に政府の職権の整理と法規改正を加速し、権限と責任のリスト制度を確立する、というものだ。

また、「統一・解放され、競争が秩序立った市場システムの形成」も重要なテーマである。すなわち、①公平な競争を保障し、②公平・開放・透明な市場ルールを整備、③統一的な市場参入制度を実行し、④地域分割・業種独占を打破する、⑤人材の流動・配置メカニズムを整備し、⑥戸籍制度改革を深化させる、⑦知的財産権制度を整備する……ことが挙げられる。

第3のテーマが「企業の発展環境の整備」である。企業の経営政策決定に対する政府の関与を制限する。法に基づき企業家の財産権とイノベーションの収益を保護する。企業に対する手数料徴収を整理し、企業負担を軽減する。以上が国務院の楊晶秘書長が示した改革の補足説明である。

【筆者略歴】田中修(たなか・おさむ) 日中産学官交流機構 特別研究員
1982年東京大学法学部卒業、大蔵省入省。1996年から2000年まで在中国日本国大使館経済部に1等書記官・参事官として勤務。帰国後、財務省主計局主計官、信州大学経済学部教授、内閣府参事官を歴任。2009年4月〜9月東京大学客員教授。2009年10月~東京大学EMP講師。2014年4月から中国塾を主宰。学術博士(東京大学)。近著に「スミス、ケインズからピケティまで 世界を読み解く経済思想の授業」(日本実業出版社)、「2011~2015年の中国経済―第12次5ヵ年計画を読む―」(蒼蒼社)、ほか著書多数。

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