米国の失業率は5%まで下がるなど雇用率は順調な伸びを示しているが、インフレ率は未だ目標の2%には程遠い1%未満にとどまっており、 連邦準備理事会(FRB)も米経済が「予想していたほど上向きではない」ことを認めている。

FRBは原因の解明に躍起になる一方で、着実に利上げ実施の準備段階に突入しているが、中国に対する新たな不安要素が芽生えたことで、先週市場が急落した例を見るまでもなく、原油価格、高利回り債、新興国の通貨など、現在の経済市場は投資家にとって不安定要素であふれ返っている。

また真向から対立する欧州中央銀行(ECB)の追加金利政策との摩擦で、国際経済に生じる影響も懸念されている。

こうした市場混乱を十分配慮し、潜在的なダメージを想定したうえで利上げが実施されない限り、今回のFRBの動きは収穫の少ないものとなり、最終的には「再び利下げにUターンするのではないか」という声もあがっている。


焦点は2大金利政策が世界にもたらす経済影響に集中

アナリストの中ではFRBが従来と異なる「利上げ法」を採用するという見方が出ており、「あくまで経済状況に見合った条件で利率を細かく変動させていくのではないか」と推測されている。

市場の動きを絶えずモニタリングし、逐一軌道修正することで、米利上げが世界経済に与える潜在的なダメージを回避し、健全な景気活性化を図ることが可能になるだろう。

しかしFRBがどの時期に利上げに踏み切ったとしても、初期段階で米経済に及ぼす影響は比較的少ない。焦点はFRBとECBによる2大金利政策が世界にもたらす影響だ。(ZUU online 編集部)

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