(写真=PIXTA)
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2015東京モーターショーでは、トヨタや日産のコンセプカーをはじめ自動運転技術の展示が目立った。

トヨタ <7203> が2020年頃に実用化を目指して開発中の、自動車専用道路での自動運転の様子も報道され、話題を呼んだ。特にTVで手放し運転の様子を見ると、昔思い描いていたSF社会が到来しているのかと驚いた人も多かっただろう。

日産自動車 <7201> では、自動運転に関して目指す未来と現段階で搭載されている技術について分かりやすく説明している。移動物の検知、エマージェンシーブレーキ、ハイビームアシストなど、確かに現在の車両で聞いても驚かないほど、我々の暮らしに根付いてきている技術を見ると、未来の完全自動運転社会はあながち夢ではないと思える。

だが安全性をはじめ課題がたくさんあるのも事実だ。自動運転社会はいつやってくるのだろうか。

高齢化・人口減少社会における利便性の向上などが目的

東京モーターショーでは日本自動車工業会の池史彦会長が自動運転ビジョンを示した。そこでは「世界で最も安全、効率的自由なモビリティー社会の実現を目指し、事故ゼロ、渋滞自由な移動と高効率物流を目標として、2輪車、自転歩行者を含むすべての交通参加者ために自動運転技術を役立てる」とある。自動運転の役立て方は、大都市、周辺部など過密環境における事故や渋滞の削減、輸送効率の向上、地方の高齢化や人口減少社会における移動手段と利便性の向上などが基本的な考え方だ。

完全自動運転にはまず運転システムの運用から。これは衝突被害軽減ブレーキ、速度や車間距離、車間維持、低速や渋滞の追従、駐車などの支援が具体的な内容として挙げられる。現行車両で備えている機能も多くある。

そして自動レーンチェンジ、自動分岐、自動合流、右左折など交差点通過、市街地走行、自動駐車などによる自動運転へと移行する。前述のトヨタ、日産のほかにも、ホンダ <7267> 、マツダ <7261> 、スバル(富士重工 <7270> )、三菱自動車 <7211> 、そして乗用車だけでなく、いすゞ<7202> 、日野 <7205> 、ふそう、UDトラックの商用車メーカーも、積極的に自動運転技術を開発している。

レーンキープアシストや渋滞の追従、駐車アシストや自動駐車、このあたりはセンサーによる周辺認識などの自律型なので、開発は比較的容易なジャンルだ。だが幹線道路自動運転から市街地の自動運転に至るまでには、交差点の通過、市街地走行、緊急時自動停止など環境認識の高度化が求められ(協調型という)、技術開発の時間が相当必要となってくる。

こういったインフラも含むものは個社で独自開発するだけでは実現が難しい。通信システムやハッキングやサイバー攻撃を含む情報セキュリティー、故障時のシステム動作や自動から手動へと移行する方法、高精度測位、高精度マップ、ダイナミックマップなどの開発や運用を並行して行わなければならず、こちらもすぐに実現が難しい。

自動運転システムの実用化に向けては、通信系、法的な整備、データ提供などのインフラも整えていかねばならない。こう考えると各メーカーの開発力だけでなく、政府や研究機関と連携した自動運転への社会づくりを産官学で一丸となって行わないとならず、まだまだ茨の道に思えてくる。

2020年までに自動運転技術を実用化、導入。2030年までに普及拡大、展開。2050年までに定着させ、成熟した自動運転社会をつくる。それが目標だ。

自動運転社会はもうそこか?

自動運転社会に至るハードルを確認すると、「難しいのではないか?」と思われるかもしれない。

しかし最近トヨタは2016年1月から米国で開催される2016 International CESで「地図自動生成システム」を展示するという。これは、市販車に搭載しているカメラやGPSを活用して、自動運転の走行に必要となる高精度地図を自動的に生成するものだ。先述した高精度測位の技術の実現化でもあり、自動運転車の走行に向けて一歩進んだものといえるのではないだろうか。

2020年には東京オリンピック・パラリンピック開催を控えており、これが一つの目標となるだろう。戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の研究、開発テーマである次世代交通システム、自動走行システムの実用化に向けた動きが加速する見込みだ。自動運転へのハードルを超える日は意外と近いのかもしれない。(ZUU online 編集部)

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