[COLUMN]「食感」という強みに集中する
不動のロングセラー『かっぱえびせん』や『ポテトチップス』、今年で発売20周年を迎えた『じゃがりこ』。カルビーの人気商品すべてに共通するのは、「食感」の良さだと松本氏は気がついた。
「『フルグラ』もそうですが、当社の強みは『食感(テクスチャー)』なのです。この食感を生み出す技術は、他社が真似のできないもの。
日本人は食感の心地よさに非常にこだわります。カルビーの商品は、そのニーズを満たすものばかり。ですから、我々は自ら『テクスチャーカンパニー』を標榜しています」
しかし、この強みを自覚するまでの道のりはまっすぐではなかったそうだ。
「『他社のヒット商品に似たものを作れば売れるだろう』という発想で商品を世に出して、失敗したことがあります。その原因を考えてみると、食感が良くなかった。その経験から、『食感で勝負できない商品は出さない』という方針が定まりました」
強みを自覚できれば、それを活かすことに経営資源を集中できる。「やらなければならない仕事」が明確になり、勝てる勝負を増やすことへとつながるのだ。
松本 晃(まつもと・あきら)カルビー〔株〕代表取締役会長兼CEO
1947年、京都府生まれ。72年、京都大学大学院農学研究科修士課程を修了後、伊藤忠商事〔株〕に入社。86年、センチュリーメディカル〔株〕へ取締役営業本部長として出向。93年、ジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル〔株〕(現ジョンソン・エンド・ジョンソン〔株〕)に入社。99年、同社社長に就任。2009年、カルビー〔株〕代表取締役会長兼CEOに就任。
《取材・構成:林 加愛 写真撮影:永井 浩》(『 The 21 online 』2016年1月号より)
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