三菱東京UFJ銀行

三菱UFJフィナンシャル・グループは、5月から三菱UFJ信託銀行の個人向け商品の遺言代用信託を三菱東京UFJ銀行で取り扱えるようにするとの発表をし、商業銀行と信託銀行の連携を拡大していく動きを見せています。近年、資産の管理や承継に対する関心が、高齢者を中心に高まりを見せており、三菱東京UFJ銀行の顧客基盤をグループ全体で活用していくとのことです。

三菱東京UFJ銀行は2012年に「ずっと安心信託」を発売しました。この「ずっと安心信託」は、老後の生活資金や家族への一時金などあらかじめ資金の受け取り方を指定できるというのが利点で、老後や相続に備えて計画的に資金を管理することを目的としたサービスになっており、発売以来、契約件数は6万件を超えています。銀行経由のものは、遺言信託の新規契約件数の6割にものぼり、孫への教育資金贈与信託は、契約全体の4分の1を銀行が占めています。こうした背景を見てみても、グループの銀行と信託の連携は一定の成果を上げつつあるといえるでしょう。

銀行と証券との連携というものは2005年前後から加速したと言われています。近年、相続件数が年々増加している傾向にあり、またその一方で個人への増税傾向にあります。それらの傾向がある中で、相続に関するビジネスが拡大しているという現状があります。相続マーケットは2015年の相続税改正によってますます大きく拡大すると言われていますが、こうしたマーケットの拡大をビジネスチャンスと見る動きが高まり、大手都市銀行をはじめとして、地方銀行や不動産業者、弁護士など生き残りをかけて参入し、数年先を見据えた競争が激しさを増しつつあります。相続関連ビジネスに対する取り組みについては、商業銀行と信託銀行の連携を拡大していく動きを見せている三菱東京UFJ銀行だけでなく、他社も含めてこの流れはますます加速してくると考えられます。こうした活動によって、信託銀行の業績が拡大していくものと見込まれます。

関連リンク: セカンドライフ Online (ZUU Online姉妹サイト)

Photo:Tokyo Mitsubishi UFJ BANK Head Office by &_yo